7 恐竜?
ガッサガッサ、ガッサガッサ・・・
ガフガフ、ガフガフ・・・
ん~、何の音だ?ギャッギャ、ギャッギャ!!ギシャー
んぁ?まだ眠くてなかなか意識が覚醒しない。どんどん回りが騒がしくなってくる。何なんだ一体・・?何とか起き上がろうと眠気を振り払う。
真っ暗な中、空気穴から光が入ってきている。もう朝なのか。
取りあえず音の正体を探るべく空気穴から外を見てみる。
えーっと、まだ寝ぼけているのかな?自分の目に映ったものが信じられず、目頭を揉み解してもう一度確認してみる。
うん、間違いではなさそうだ。つまりあれは恐竜だ。恐竜である。
10体ぐらいは居るな。川に水を飲みに来たようだ。
こうしちゃいられない!写真を撮らねば!!ポケットに入れっぱなしだったスマホを取り出す。・・そうだよな。山から転がり落ちて無事なわけがなかった。画面は罅が入ってバキバキ、うんともすんとも言わない。
昨日からの事が思い出されて溜息が出てきた。夕飯も結局食べ損ねて寝てしまった。ぐぅ~。認識したら途端にお腹が空いてきた。
取りあえず、昨日食べるはずだった菓子パンを食べよう。
パンを食べつつ今後のことを考える。まず人がいる所を探す。町でも村でもいいから、人に会ってこの世界のことを聞きたい。
元々1泊2日の予定だったから食料の残りも少ない。川があるし水は大丈夫だ。何なら水魔法でいいだろう。そのために取ったようなものだしな。
後はここから出るタイミングだ。幸い水を飲むのに夢中だしその隙を突くか。危険察知・魔力隠蔽・気配遮断は常に展開しておこう。
外の様子を窺ってみる。
よく見るとあの恐竜『ディプロドクス』に似ているな。灰色で首と尻尾が凄く長い。体長10m以上はありそうだ。
そう言えば鑑定があったな・・
あれは首長竜というらしい。それにしてもここは地球でいう何時代にあたるんだ?石器時代じゃないことを祈ろう。
お読みいただきありがとうございました。