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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 家に帰り着き、通信機で事前にメルに聞いていた羊毛を5体分渡しておく。

 もう冬になっちゃったし今更必要ないかとも思ったんだけど、フィナちゃんにと言うかフィナちゃんの勤めてるお店の人に聞いてみてもらった所、遅くなってもいいから欲しいと言う事だったんだ。

 本来は冒険者ギルドに依頼を出してもらわなければいけないんだけど、今回はメルのお友達のフィナちゃんだからと言う事で依頼無しの直通だ!

 今回だけなので、次は依頼を出して欲しいと言う事も絶対伝えるようにメルに言っておいた。なあなあにしすぎるのも良くないからね。


 フィナちゃんが喜べばメルも嬉しい、メルが喜べば俺が嬉しいって事だ!


 次の日冒険者ギルドに素材を売却し、ザックさんの所に顔を出した。


「やけに帰って来るのが遅かったな?」

「ええ、夏に帰ってきた時遅くなっちゃったんでその分ですね」

「お前がメインにしてるのは魔法ゾーンだもんな。移動だけでも大変だろう?」

「トンネルが出来て楽になりましたよ」

「で、今日はどうした?何かあったのか?」

「いえね、ちょっと思い付いた事があったんですけどね?ザックさんの意見も聞きたいと思って」

「何だ?」

「今亜熱帯ゾーンで活動している冒険者で、あとちょっとで攻略できそうな者達なんですけど・・・冬に行けばいいんじゃないかなってね?」

「・・・どういう意図だ?」

「いや、亜熱帯ゾーンの魔物も冬は動きが鈍るんでいいかなって。でも季節で魔物の強さが変わるのを自分の力と過信されるのもどうかなって。どう思います?」

「どうもこうも、それが答えだろう?過信されては困るな」

「ですか・・いい案だと思ったんですけどね」

「動きが鈍ると言っても危険な事には違いない。それを弁えて行動できればいいがな、残念ながらそういう者達ばかりじゃないからな」

「そっかー」

「早く魔法ゾーンに冒険者達を入れたいのは分かるがな」

「ん~、まあそれもあるんですけどね。今年の夏はスライムゾーンの先に行こうと思ってるんですよね。魔法ゾーンの素材の流通が止まっても良いならいいんですけどね?」


 ザックさんが俺の言葉に腕を組んで考え込んでいる。

 やっと冒険者ギルドを通して魔法ゾーンの素材が市場に流通しだした所だ。依頼も入って来ているみたいだし、今の流れを止めたくはないだろうな。

 だが俺も待ってはいられない。待ってはいられないって言うか、ぶっちゃけ魔法ゾーンにも飽きて来た。

 だからと言ってスライムゾーンも嫌だ!あそこはまさに無の境地、俺にとっては修行に等しいほどつまらない。


「話は分かった。次のゾーンに進むのは俺達にとっても益になる事だからな。魔法ゾーンの素材が入って来ないのは痛いが仕方ない」

「通り道ですし素材を手に入れる事は出来ますけど、いったん戻って来るのは止めるので冬になるって事です」

「帰って来ない?移動に時間がかかるからか?」

「そうです。流石にきついんでね」

「それもそうか・・・大丈夫か?無茶しないでくれよ?」

「分かっています。通信機で定期連絡しますし、何かあったら家に伝言しといてください」

「分かった。くれぐれも気を付けてくれよ!」

「ええ、ありがとうございます」


 ザックさんに今後の方針を伝えギルドを後にした。

 春までにパン作りして、おにぎり作って、やっておく事が盛りだくさんだ!

お読みいただきありがとうございました。

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