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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 魔物の氷像を何度となく作っては壊し、ドロップ品を回収しながらさらに西奥に向かって移動して行く。

 今までで一番西側に進んでるんじゃないのか?

 だが遠見を使ってみても終わりが見えないんだ。モルザット国の魔の大森林が海で終わっていたから、辺境の魔の大森林の終わりも海になるはずなんだけどな~?


 ドロップ品を回収したら、草原との境目まで西に移動し凍らせた部分を解凍する。その間魔物が寄って来ない様に、先に進んでいたギンとハクが塞き止めておいてくれるんだ。

 俺が辿り着いたらまた凍らせてギンとハクが攻撃、俺がドロップ品回収と言う役割分担だ。


 このふた月ずっとそんな調子だった。ただ、一度に凍らせる範囲が広いから次に行くまでに時間がかかるんだよね。

 自分としてはずいぶん奥に進んでるなって感覚なんだけど、広大な魔の大森林からしたら大して距離は進んでないんだろうな。


 先に進んでいたハクが飛んで戻って来る。


『主、この先の丘が怪しい』

「丘?」

『うむ!魔物がおらんのだ。丘の周りだけぽっかり空いとる』

「それって魔物が寄り付かないって事だよな?あれか?大水蛇がいた湖みたいなものか?」

『そうかもしれん。まだ距離があるから魔物がいるかまでは分からぬ』

「ふ~ん?丘の周りに何もいないって事は、丘の中にいるのかね?」

『そうかもしれんな』


 その丘に近づくかどうかは置いといて、取りあえずギンの所まで移動する事にした。今はギンが1体で魔物を抑えてくれているそうだから急がねばね!


 ハクから教えられていた丘が見えて来た。

 遠見を使って確認してみたが、話に聞いていた通り丘の周りには魔物1体いなかった。これはやっぱり何かいるな・・・


「よし!そろそろ帰ろうか!」

『何っ!?行かないのか?』

『またか主よ・・』

「え~だってさ、魔物も近づかないって事はヤバいんだろ?前にそう言ってたじゃん、ギンが!」

『確かに言ったがな、せめて何がいるかだけでも確認すべきだろう?』

『ギンの言う通りだ!せっかくここまで来たのだ、行くべきだ』

「え~~、じゃあライはどうだ?」

『・・・・・グゥグゥ・・・・』

「嘘寝が酷いな・・・分かったよ、行けばいいんでしょ行けば」

『うむ!』

『最初っからそう言えばいいんだ!』


 ギンもハクも出来る奴らなんだけど、こう言う所が困っちゃうよな。率先して主を危ない場所に突っ込ませようとするなんてな!


 スキー板とストックを仕舞って歩いて丘に向かう事にする。


 徐々に近づいて行くにしたがって魔物の反応が増えていく。だが外には居ないんだから丘の中にいるって事だ。

 丘って土から出来てるんだよな?土の中に棲息する魔物って事は、ワームとか大蟻とかそっち系か?

 うへぇ~、俺の苦手な部類だわ。余計行きたくなくなってきたよ。

お読みいただきありがとうございました。

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