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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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598 会議出席2

「リク君にはリーザス国に続いてモルザット国の依頼を受けてもらえて本当に助かったんだよ?でもねぇ・・・ルシアス」

「はい。では私から説明いたします。リク殿が依頼を終了しクルスルス国に戻って来た後、リーザス国に派遣している者より報告がありました。リーザス国が魔の大森林にトンネルを作りたいので協力して欲しいとの事です」

「そのお話について検討しましたが、宮廷魔導士長としては派遣する魔導士を確保するのは難しいですね。ただでさえ新種の素材が手付かずで残っているんですから。そちらを優先したいですね」

「冒険者ギルドとしては、リクからの報告でリーザス国王陛下がトンネルの話題に色気を出していたと聞き及んでおります。ですが依頼も出ておりませんので対処しようもありません」

「クルスルス国として検討しましたが、今の時点で協力は難しいと言うのが大勢を占めています。何より魔導士を大量に派遣するのはこちらの損失です」

「そうだね、数年かかるだろうからね」


 この会議に俺が参加する意味ってあるのか?もしかして俺にトンネル堀に行って来いって事なのか?俺から自分が行きますって言って欲しいのか?

 結局俺にどうして欲しいんだかが分からないな?そもそも穴掘りは出来るけど、魔導士がいないんじゃその後が続かないだろうに?


「リク、あんたはどう思う?」

「どうとは何ですか?俺に行って来いって事ですか?」

「そうじゃないさ。あんた独り行った所でトンネルは完成しないだろう?」

「じゃあササリさんも一緒に行くんですか?」

「冗談じゃないよ!?あたしゃ行く気は無いよ!!」

「俺もですね。あそこちょっと面倒ですもん」

「じゃあ何か良い方法無いの?」

「何かって言われましても・・・・・魔法武器でも渡しといたらいいんじゃないですか?」

「は?何でそうなるのよ!?」

「要は巨人が倒せればいいんでしょ?リーザスには魔法使いが少ないから巨人を穴に嵌める事が出来ない。だから力押ししか出来ない。なら力を与えればいいんじゃないですか?」

「ふむ?それで魔法武器かい?」

「ええ。もう使用してるんですよね?だったら数揃えて送ってやれば勝手に向こうでやってくでしょう?」

「そんなにすんなり行きますでしょうか?」

「さー?でもあの国は強者主義なんでしょう?本来ならトンネルを使うなんて屈辱なんじゃないですか?」

「それは確かに・・」

「ウッカ、魔法武器の生産は軌道に乗りそうかい?」

「今はまだ鍛冶師の数が足りてないですね。辺境の冒険者達にやっと作り始めた所ですから」

「そうすると、時間がかかりそうだね」

「数十本も駄目ですか?」

「あんたねぇ!そんな簡単じゃないのよ!!」

「じゃあトンネルにします?」

「それは・・・」

「今の段階では魔法武器の方が現実的かもね」

「ササリ様もそう思われますか?」

「魔導士が確保できないんだ、それが現実的だろう?」

「ではこうしよう!ルシアス、魔導士の代わりに魔法武器を提供する事をリーザス国に打診してみてくれ」

「かしこまりました」

「では、クルスルス国としては魔法武器で対応すると言う事でよろしいでしょうか?」

「そうしてくれ」

「他に発言のある方はいらっしゃいますか?なければこれにて会議は終了いたします」


 終わったか・・やれやれ。何で俺が呼ばれるのやら。

 このままバークスさん達と一緒に帰ろうとしたが、ウッカ様に捕まって宮廷魔導士塔に行く事になった。ササリさんも一緒だ。

 サラマンダーの素材が待ち遠しかったらしい。忘れてそのまま帰る所だったよ。

お読みいただきありがとうございました。

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