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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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『脳を上手く手懐けろ』


 脳には「牽引の法則」と言うものがある。思っている事、考えている事に対して、その状態を作り出す、引きずって来ると言う事である。


 例えばだ、俺には金が無いんだ。働いても働いても金が残らないんだ、なんて話をしていたとする。そうすると脳がそれを聞いていて、自分が金のない状態から脱却したいと思っても、それを阻止してくるのだ。

 色々な理由を考えて金が無い状態に持って行こうとするのだ!

 元から家が貧乏だからとか、生活用品が高いから金が残らないんだとか、いろいろな言い訳を考えて金が無いのは仕方ないと諦めさせようとするのだ。


 脳は働きたくないのだ!今の生活を脱却したいと思ったら、仕事を今より頑張って上に行かなければならない。上に行くにはどうするか考えて行動しなければならない。脳はそれをしたくないのだ!

 だからこそ様々な理由を考えて頑張っても無駄だと諦めさせようとするのだ!


 本当にその状態から脱却したければ、脳に打ち勝たねばならんのだ!!



 ・・・・・・っ!?

「ハク!ハクー」

『どうしたのだ主?そんなに慌てて?』

「ハク!今日から、いや、今から、仲間の所に行こう禁止な!!」

『何故だ?』

「そんな事言っちゃったら行かなきゃいけない状態になるじゃないか!?」

『はぁ?お前は何を言っているんだ?』

『そうだぞ主?いつか行くと言っていたではないか?』

「言ったけど、言ったけどもだ。ずっとずーっと先の話でいいんだよ、何なら行かなくてもいいんだよ!」

『主よ、それはいかんぞ!我らが増え過ぎていると言ったではないか!』

「今行ったって返り討ちに会うだけだろう?」

『行ってみなけりゃ分からないぞ?俺達もいるんだ』

「じゃあ聞くけどさ、ハクが万全の状態の白竜だったとして、俺が挑んだら負けるか?俺に倒されると思うか?」

『バカ言うでない!?何故我が弱き者に倒されねばならんのだ!!例え主であろうとも負ける事などありはせん!!』

「だろう?他のドラゴンたちだってそう思ってるんじゃない?」

『そも、我らは最強種族ぞ!倒されるなど考える事すらありはせんのだ!』

『それは確かにそうだろうな』

「ほら~やっぱり!だからさ、当面会いに行こう禁止な。会う会う言うと本当にそうなっちゃうんだよ!脳が勝手に余計な事しちゃうんだよ!!」

『脳とは身体の一部ぞ?勝手にも何もあるまい?』

「そうであってそうでないんだって!脳ってのは勝手に色々しちゃうんだよ。良い事でも悪い事でもそうしちゃうんだって」

『言ってる事がよく分からんな?』

『会いたいって言うと脳が会いに行こうとするって事で良いのか?』

「そうそう、そう言う事。俺の思いとは別に勝手に誘導して行っちゃうんだよ」

『ほう?脳とは身体の一部ではなく単体なのか?』

「いや、単体ではないだろうけどさ?場合によっては余計な事しちゃうみたいなんだよ?」

『ふむ?』


 ギンもハクもよく分かって無いようで首を傾げている。俺だってまさかとは思うけど、さっき読んだ部分のストレスを痛みに変えるって言うのには思い当たる節があるからな。

 この牽引の法則って言うのもあながち嘘ではないんじゃないかと思うんだ。

お読みいただきありがとうございました。

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