567 露天風呂
ベシャッ!!
また1体目の前にサラマンダーが降ってきた。
俺はそいつに頭上から太くしたつららを落として突き刺した。土槍では効き目が無かったんだよな・・・どういう訳か上手く刺さらなくて氷魔法に切り替えた。火魔法は駄目でも土魔法は行けると思ったんだけどな?
触ってないけど、地面に激突した時ベシャッて音がするんだから、身体はぬめってるのかな?でも炎を身に纏ってるんだし、皮はカラカラのはずでは?いや、待てよ?自分で出している炎から身を守るために皮はぬめっているのか?だから土槍も滑って刺さらなかったのかな?
でもそれって本末転倒じゃない?いや、実際はどうか知らんけど。
さっきから降って来るサラマンダーの大きさが最初に見た物より遥かに大きくなっているんだよな!体長2メートル越えがワラワラいる!
火山に近づくにしたがって転がっている岩も、出て来るサラマンダーも重量を増すらしい。
でもそんなに強い魔物ではないのか?簡単に弾き飛ばされて降って来るんだもんな?魔法ゾーンの魔物とどっちが強いんだろう?
すでに魔法ゾーンに突入しているはずだ。魔物は見当たらないけどね!
この灼熱の暑さに耐えられる魔物だけが棲みつけるんだろう。今の所はサラマンダーだけだな。しかもある程度大きいの!小さいのは耐えられないから麓も麓、亜熱帯ゾーンに近い所にいるんだろう。
サラマンダーのドロップ品は魔石と皮だった。数体倒してこれしか出てこないんだから他には無いんだろう。
皮は熱いのかと思って1体目の時はビクビクしながら指先で突いてみたっけ。でも逆にヒンヤリしていて拍子抜けしたな。色は赤黒だね。
素材を回収しながら先を行く2体を追っていく。遠くに豆粒みたいに映っているのがギンとハクだな!そんなに張り切って行かなくてもいいのにな・・
俺はもう顔が熱くて熱くてカラッカラよ!水分補給してるけど取り込んだ先から蒸発してるとしか思えない。
降って来るサラマンダーに対処しながら追いかけていくと、ギンもハクも立ち止まって俺を待っていた。何だ?
速足で2体の方に行くと、だんだんと腐ったような臭いが漂ってきた。これって・・・硫黄か?って事は!?俺は知らず走り出していた。
目の前にチョロチョロと流れ出ているこれはまさしくっ、源泉ではないですか!?うお~っ!!やっと出会えた温泉だよ!!
『主あったぞ!』
「おおっ!」
俺は流れ出ている湯に指を入れてみた。あっつ!?流石源泉だけあるな、このままじゃ全く入れそうにない。そもそもチョロチョロと小川のように流れているんだ、穴でも掘って溜めない事にはどうにもならない。
俺はさっそく周りの岩を風魔法で飛ばして広場を作り、土魔法で正方形の穴を掘り源泉を流し込む事にした。俺1人分の大きさだからそれほど広さはないけど、足も伸ばせるし十分だな!あとはお湯が溜まるのを待つばかりだ!
湯を待つ間に周りにある岩を即席温泉を囲う様に配置して、邪魔者が来ないようにしておく。近くをうろついてるサラマンダーはハクとギンが対処してくれるし問題ない。
お湯が半分まで溜まった所で手を入れて温度をみてみる。かなり熱いな・・・水魔法で薄めるか?いや、氷の塊を入れよう!1メートル四方の氷塊を作り、温泉の中に投入!じわじわと溶けていくように氷の密度を調整しといた。
魔力をより込めれば密度が上がるのです。
では待ちに待った露天風呂を堪能するとしましょう!
監視は任せたぞ、お前達!!
ライもだぞっ、岩上に寝そべってるんじゃありません!!
お読みいただきありがとうございました。




