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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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56 Cランク

 宿の受付でロイ達が戻っているか確認して部屋に行く。


「おーい、戻ったぞ~」

 ドアをノックしながら声を掛けると、すぐにドアが開いてロイが迎えてくれた。

「お帰り!」

「おかえり~」

 メルが飛び付いて来てそのまま肩まで登ってきた。

「ただいま!」

 メルを落とさないようにしつつ、ロイの事も抱きしめる。


 何か家族!って感じがするな!今まであった微妙な距離感と言うか、よそよそしさが薄れてきた気がする。


「夕食は食べたか?」

「まだだよ」

「じゃあ外に食べに行くか?」

「食堂でもいいよ、ここも美味しいし」

「そうか?じゃあそうしよう」


 食堂に移動しご飯を食べつつ、依頼の事や俺が居ない間の事を話す。


「余ったお金返しとくね」

「ん?そのまま持っててもいいぞ?」

「大金だもん、怖いしいいよ」

「そっか。イジーさん達へのお土産は見つけたか?」

「ううん、どんなのがいいか分からなくて」

「じゃあ明日また見に行こう!2日潰れちゃったしもう1泊延ばそう!」

「いいの?」

「いいぞ!俺もまだ色々見て回りたいからな」



 次の日、皆のお土産を探して回ったが、これ!と言う物が見つからずに結局お菓子を買って帰る事にした。


 宿に戻る前に西門ギルド(ラードンに着いて最初に寄ったギルド)に寄る事にした。明日帰る事を伝えるためだ。


 受付に並び順番を待つ。結構並んでるな・・夕方だしちょうど混む時間帯にあたったようだ。


「明日帰るので伝えておきます」

 自分の番になって用件を伝える。

「あっ!リクさん、ランクが上がったのでしばらくお待ちください」

「はっ?何で?」

「リクさんがCランクの試験待ちなのを知って、北門ギルドのギルド長が今回の依頼の報酬としてギルド長権限を使ったんですよ」

「ギルド長権限?」

「はい。リクさん本当にお一人でオーガを倒したそうですね!それだけの力があるなら大丈夫だ、と言っていました」

「へ~俺は有り難いからいいけど」

「カードの更新してきますね」


 新しくなったギルドカードは銀製だった。こういうのを棚から牡丹餅って言うんだろうな。


 また明日から3週間も馬車の旅だ。クッションも買ったし少しはマシな旅になるだろう。他の移動手段があればいいのに。





お読みいただきありがとうございました。

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