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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 春から魔の大森林に入り、ひたすら魔物を狩っている。今は亜熱帯ゾーンにいる。ここならギンもハクも外に出せるからね!

 すでに依頼分の500体は狩り終わっているんだけど、少しでも魔を減らすべく夏の終わりまで魔の大森林で過ごしている。

 ギルドにもそう伝えてあるから俺が帰って来なくても心配する事は無いだろう。


 亜熱帯ゾーンの素材が増えても、それをちゃんと扱える鍛冶師がいないとどうしょうも無いんだよな。

 あれからダロさん達は商業ギルドに紹介してもらった魔導士に魔力の感じ方を教わっていると聞いた。でもすぐに上手くはいかないみたいで苦戦しているそうだ。

 他の鍛冶師達よりいち早く教わっている分、今後の仕事でも有利になるはずだ。ぜひ頑張ってもらいたいね!


 その更に先を進む辺境では、ドスさん達があの魔法玉を使う武器の生産に入ったそうだ。まだまだ完成には程遠いが、宮廷魔導士達と試行錯誤しながら進めているそうだ。

 それと、ザザの鉱山で新たに発見された魔鉱石。ササリさんと王都の宮廷魔導士達が調べた結果、武器の素材としても使えるようだ。ただし、鋼と魔物の素材と魔鉱石の割合が難しいらしい。何をどのくらい混ぜるのが最適なのかまだまだ分からない事だらけだと言っていた。


 たまたま家に遊びに来ていたラデス殿下からの情報だ。

 何でこんな遅い時間までいらっしゃるんですかねー。夜7時過ぎてますよって言ったら、夕食をご馳走になりましたってにこやかに言われた。顔は見えないけど、多分笑っていたはずだ・・・

 リズさんにちゃんと見張っててくださいってお願いしたのに!!ロイもいない今、リズさんしかいないのにっ。



「ギン、ハクそろそろ帰ろうか」

『もうか?』

「秋になる前に帰りたいからね。そうすれば雪が降る前に辺境に帰り着ける」

『そうか。しかし減らんな?ここは魔が濃すぎるように思う』

「濃すぎる?魔の大森林が辺境に比べて小さい割にって意味か?」

『うむ』

「何かいるのか?魔を濃くするような存在が」

『そこまでは分からぬ』

「そうか。なあ、辺境の魔物を減らせばこっちにも影響はあるのか?」

『そうさなぁ、あまりなかろう?辺境の魔が減ったとて全体に比べれば微々たるもの。こちらまでは届かぬよ』

「そっか。どちらにしてももう時間が無い。ずっとここに居る訳にはいかないからな。ここで区切りだ」

『うむ』

『分かった。だがまた来る事になるかもしれんな』

「ギン、不吉な事言わないでくれるか?」

『不吉も何も魔が増えればまた呼ばれるだろ?』

「・・・結構減らしたし大丈夫じゃない?」

『魔はあまり減っておらんぞ?』

「何でよ!?頑張ったのにおかしいでしょうよ!」

『それだけ弱き心を持つ者が多いのだろうな』

「獣人の国なのに?強者主義だって言うのに?」

『心の中など誰にも分らぬよ』

「それはそうか」


 俺は強いぞ!なんて威張っていたとしても、心の中は分からないって事だよな。弱さを見せない様にしているのかもしれないしな。

お読みいただきありがとうございました。

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