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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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483 リーザス国とは

 家に帰るとシシーさんとメシーさんが遊びに来ていた。

 確か『銀狼の牙』は依頼でリーザス国に行った事があったはずだ。リザロもリビングに居るし話を聞くのにちょうどいいな!


「シシーさん、メシーさんいらっしゃい!リザロもちょっと話が聞きたいんだけど今いい?」

「「お邪魔してまーす!」」

「何だ?俺はサラに絵本を読んでいるんだぞっ」

「リーザス国について聞きたいんだよ。行った事あるんでしょ?」

「あら?何でリーザス?」

「リク、それはギルド長の呼び出しと関係あるのか?」

「ええ、リーザス国とあっちの冒険者ギルドからの共同依頼だそうです。狂った魔物が多発して負傷者が多数出たそうです。だから魔物討伐に来て欲しいという依頼ですね」

「それ本当!?」


 シシーさんが驚いたように聞き返してくる。もしかして出身国なのかな?


「はい。そういう話でしたよ」

「それって長期依頼になるわよね?負傷者が復帰するまでって事でしょ?」

「期間が書いて無いんですよね。魔物を500体討伐して欲しいそうです」

「状況から考えるとそれだけでは済まないのではないか?」


 リズさんが腕組みしながら聞いてくる。眉間にしわが寄っているし、状況が悪いと思っているのだろうか?


「まだ返事はしてないんです。長期で家を空ける事になるので相談してからと思って。だからあっちの話を聞きたいんですよ」

「そうねー。先ずは地形からかしら?」

「ですね。何も分かりませんから」


 皆に話を聞いた事を一言でまとめると、なかなかに厄介な国だな。


 獣人が多い事もあって言い方は悪いが脳筋、実力主義、煩い、ウザイなどなど面倒臭い国民性であるようだ。獣人が約6割、王族は虎族。それからドワーフが3割強、人族が1割弱と言う構成らしい。

 地形は山が漢数字の「八」のように聳え立っているようだな。下側の広がっている方が農地で、そのまま下奥に進むとモルザット国との国境に辿り着くそうだ。

 山が狭まっている方が魔の大森林側になる。魔の大森林に蓋をするように王宮が建てられているんだって。

 王族も強い者が上に立つ者の精神で、魔物と真っ向勝負なんだそうだ。王宮自体が街に魔物が出てこないように塞き止める役割だそうだ。

 なんとまあ、素晴らしい精神です事!そんな強者主義なんで腕力で劣る人族はあまり好まれていないそうだ。強そうな相手を見つけると勝負を挑んだりするようで苦労したと言っていた。

 主にガロさんとデガさんが勝負を挑まれていたらしい。


 そんな中でドワーフが多いのは鉱山がある事と、装備を作る鍛冶師が多いからで強者主義であっても一定の発言権は持っているようだ。

 冒険者も軍も武器防具は必須アイテムだもんな!ドワーフ達に総スカン食らったら丸腰で戦う事になる。頭が上がらないって事だろうな。


 農地と王宮の間にある街がリーザス国唯一の大都市だそうだ。後は農地側に小さな集落と宿場町が幾つかだな。モルザット国に向かう商人も多いらしいからね。

 リーザス国からは武器防具、鉱石がモルザット国へ、モルザット国からは魔道具や海産物などの食料が交易品としてやり取りされているそうだ。

 リーザス国にもモルザット国にも魔の大森林が接しているから素材の類はあまり取引されていないんだって。


 酒には気を付けろと言われた。獣人もドワーフも酒好きだそうで潰されないようにしろってさ!

 リーザス国で作られている穀物はほぼ酒の原料になっているから食べる分をモルザット国から買っているらしい。どんだけだよ!?

お読みいただきありがとうございました。

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