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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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449 モヤモヤする

 ずっと引っ掛かっている事があるんだ。

 魔法玉の事をササリさんとラデス殿下に話したあの日、あの時はさらっと流したけどずっと気になっていた事があるんだ。

 スライムの倒し方を説明してた時ササリさんは何て言った?俺と同じ土魔法がスキルレベル5だと言ってなかったか?

 俺が土魔法を得意としている事は冒険者達の間で噂になっているだろうし、トンネル工事に参加した事も知られている。だが、俺が人にスキルレベルの話をした事は一度もないはずだ。

 ロイとリズさんは俺がスキルポイントでスキルを取得している事を知っているし、スキルレベルを5まで上げている事も知っている。でもササリさんに自分のスキルレベルを話した事は無いんだ。リズさんやロイが話したとは思えない。じゃあ何故知られているんだ?

 ササリさんは鑑定が使える。でも俺はスキルを知られないように隠蔽工作しているんだ。そう簡単には見る事が出来ないはずなんだ。


 考えられるとすれば、まだ隠蔽のスキルを取得していない時だけだ。あの時点で土魔法はスキルレベルを5まで上げていた。知られたとしたらあの時しかないはずだ!でも、じゃあ誰が?ササリさんと出会うずっと前なんだ、他に鑑定持ちがいたはずだ。

 元宮廷魔導士長という立場なら情報はどこからでも入って来るだろう。冒険者ギルドか警備兵だろうか?それとも情報屋の様な者が居るのだろうか?

 俺が自分のスキルボードを確認する時には隠蔽されてるかどうか分からない。自分で自分の情報を知るんだから隠蔽とか関係ないもんな。俺以外の鑑定持ちに実際に鑑定してもらわないと隠蔽の効果があるのかどうかもよく分からないんだよな。


 土魔法のスキルレベルが知られた事に関してはまあいいんだけど、問題はそこじゃないんだよ。俺はポイントを使ってスキルレベルを上げているから、この世界の人達のようにスキルが30ずつ上がってスキルレベルが上がるという法則を完全無視している形だ。

 知られて困るのはここなんだよな!あと補助スキルの数々だ。この世界には存在しないスキルもあると思うんだ、いやあるんだっ。これもマズイ。

 でもササリさんは今までその事について聞いてくる事が無かった。今回も多分ポロっと言ってしまったんだろうな。


 ササリさんは出会った頃から何かと俺に気をかけてくれていた。でも俺が普通とは違うだろうと思っていても俺に直接聞いてくる事は無かったし、常に距離を置いて接してくれていた。

 王都に同行した際も、王宮関係者に余計な詮索をするなとくぎを刺してくれていた。よくよく考えると相当気を使って、気を配っていてくれたと思うんだ。


 俺のスキル情報を知っている人物は誰なんだ?俺に接触してこないって事はどこかで誰かが情報を留めていてくれているって事だよな?それがササリさんかどうかは分からないけど。

 そこに理由があるとすればなんだ?


 そう言えば以前ササリさんが言っていたっけ?俺が面倒になったら他国に逃げるって言ったら、そうならないために皆が気を配っているとかなんとか。

 あれはいつだったかな?つまり俺に逃げられたら困るから余計な詮索はしなかったって事か?

 それはまあ有り難い事だけど、な~んか気持ち悪いんだよな。現状何かしようとは思わないけどさ、モヤモヤするよね!

お読みいただきありがとうございました。

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