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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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444 宣言

 俺はスライムを倒した方法を説明してみた。氷魔法が使える事は内緒だ!


「・・・いろいろ言いたい事はあるがね、先ずその土壁で囲った範囲はどの位なんだい?」

「範囲は、この部屋が6部屋分位ですかね?」

「この部屋は10畳だ。それが6部屋分?まずそんな範囲の土壁を出す事が出来たとしても、魔力をほぼ持って行かれて次の攻撃まで出来ないね。魔法薬で魔力を回復したとして、その範囲を殲滅なんて出来っこないね。それを1日中続ける事も出来ないね、馬鹿かいあんたは!!」

「リクさんがとても凄いと言う事だけは僕にも分かりました」

「いや、何も同じにしろとは言ってませんよ!範囲を狭めればいけるでしょう?」

「聞くが、同じ色のスライムで固まってた訳じゃないんだろう?」

「ええ、バラバラでしたね」

「なら例え範囲を狭めてもだ、相性の悪いスライムが囲った範囲内にいたら相性のいいスライムを倒せたとしてもドロップ品を取りに行けないね」

「え?剣や槍で刺すとかすれば行けません?」

「それが効けばいいけどね」

「あー、試して来ればよかったな。次調べてみますよ」

「では1体ずつ相手にするというのはどうでしょうか?」

「近くにいたら出来るだろうね。その際他のが寄ってこないようにやっぱり囲わなきゃいけないね。取り込まれちまうからね」

「そうですか。難しい物ですね」


 ラデス殿下が神妙な顔でササリさんの話を聞いている。俺には難しさがよく分からないけどな?


「魔法武器が出来ればその辺も解決すると思いますよ?」

「そうかもしれないが、それがいつになるかだねえ」

「鍛冶師の方々次第と言う事でしょうか?」

「そうさね。そこが一番のネックになるね」

「話は変わるんですけどね、この魔法玉ですが今後は全て冒険者ギルドに売る予定でいます」

「えっ!?」

「どういう事だい?」

「そのままの意味です。俺は出来れば全冒険者に魔法武器が行き渡って欲しいんです。この辺境の魔の大森林で戦っている冒険者達を最優先したい。その為に王宮に渡す事はしません。鍛冶師が扱えるようになるまで保管しておくつもりです」

「その考えは分かるがね。全く渡さないつもりかい?」

「さっきの研究用で足りないというならその分だけ出しますが、少しでもおかしいと思ったら出しません。最優先はこの辺境で戦っている冒険者達です。最低でもCランク以上の冒険者達に行き渡るまでは市場に流さないように契約を結ぶつもりでいます」

「そこまでするのかい?」

「します。これは貴族達が溜め込んでいいものじゃない。他の素材とは根本的に違うんですよ。冒険者達に十分に行き渡った後ならどうでもいいですけどね、道楽で集められては困るんですよ」

「リクさんのお考えは分かりました。僕もその方がいいと思います。多分ですが陛下も賛成してくださるはずです。僕の方からお伝えしておきます」

「よろしくお願いします」


 こうして会談は終了した。研究用の魔法玉と素材も転送部屋に出してから帰ったよ!報告書が出来たら送るというので後はお任せだ。

お読みいただきありがとうございました。

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