434 魔法玉
俺は1つその玉を拾い上げ鑑定してみた。赤い玉だ。
鑑定結果は、魔法玉(火)となっていた。魔法玉?この玉の中に魔法でも詰まっているって事か?で、この(火)の部分が中に詰まっている魔法の種類って事か?俺は他の色の玉も拾って鑑定してみる事にした。
結果、緑(風)赤(火)青(水)黄(土)黒(闇)白(光)紫(雷)透明(氷)と言う事が分かった。
あーなるほど!!透明のスライムに氷結が効かなかったのは同じ氷魔法だったからか!
てことはこの先には闇魔法を使う魔物もいるって事だよな?この世界にある魔法の種類分あるんじゃないのか?囲ったのはほんの一部だし、他の色も探せばあるだろうか?
それにしてもこの魔法玉はどうやって使うものなんだ?
「ハク、これの使い方わかる?」
『ん?何だそれは?』
「魔法玉だってさ!」
『ふむ?確かに微量だが魔力を感じるか?』
「微量?なら大した事無いのかな?」
『あほか!ハクにとってはって意味だぞ。俺にはそこそこ魔力を感じられる』
「そうなの?」
『主、紫のちょうだい』
「ライ?貰ってどうするんだ?」
『力得る』
「ああ、魔法が詰まっているんだもんな!ライは雷魔法使うから紫玉が欲しいのか。ハクとギンもいるか?」
『我は鱗があるから要らんぞ。そんな玉じゃ大して力を得られん』
『俺は今はいい。だがいくつか取って置いてくれ』
「分かったよ。ライは何個欲しいんだ?」
『ん~10個』
「そんなに!?いや、良いけどね。で、使い方は分かる?」
『さてな?魔法なら魔力を流せばいいんじゃないか?』
「それでいいの?・・・何があるか分からないからササリさんに見てもらってからにしよう!危ないし」
『いいんじゃないか?』
ハク達の話からすると、ハクにとっては大した魔力は詰まってないけどライたちには十分な量だと。それでもライで10個必要って事はライも十分強い魔物だからだろうか?ハクとギンが強すぎるだけで。
俺は土壁の中の魔法玉を全て拾ってライに10個紫玉をあげた。ライはまとめて全部口に放り込み、モゴモゴしている。俺の身体を覆っているのに俺の胸の辺りから器用に顔だけ出して、いや顔を形作って食べていた。
俺の胸から羊の顔が生えている、なかなかにシュールな光景だ!
しかし魔法玉ねー?魔力を流して使う?
「あーーーーーーーっ!?そういう事か!?おっかしいと思ってたんだよな!!なるほどね、やっとしっくり来たよ」
『おいっ!?いきなり大声出すな!!』
『何だ一体!?何があったのだ?』
「あ、ごめんごめん。やっと謎が解けたと思ってさっ」
『どういう事だ?』
「いやさ、この世界はさ、この魔法玉があってこその世界なんだよ。魔法玉を使う事が前提の世界なんだよ!」
『ん?』
「だからね、この魔法玉を例えば剣に装着できたとしたら魔法剣になるんじゃない?槍だったら魔法槍。つまり魔法武器が出来るって訳だ!」
『ふむ?』
「でさ、人にはレベルとスキルレベルがあるんだけどスキルレベルが上がる基準がすっごく厳しいんだ。レベルが30上がらないとスキルレベルが上がらないんだ。しかもスキルレベルが5段階しかない。人の人生から考えると最高レベルの5まで上げるのは難しいんだよ。ここまではいい?」
『うむ』
俺はその後も興奮したように持論を展開していった。
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