44 孤児院へ
長い冬が終わり、街を離れていた冒険者達もだんだんと戻って来た。まだ少し雪でビシャビシャしているが、気の早い冒険者はすでに依頼に出ている。
俺とロイも来週には依頼を受ける予定だ。
今年からメルを教会の孤児院に通わせようと思っている。
辺境の街ラットルには学校はないが、簡単な読み書き計算を教える所が幾つかある。その中でも、年齢が低くても通わせられるのが孤児院しかないのだ。他は早くても8才位からだ。
もっと勉強したい、させたい場合は交易都市ラードンか農業都市ルースル、王都まで行かなければならない。
そんな訳で、ロイとメルを連れて孤児院に見学に来ている。
ロイはご両親から一通り習っているが、メルは全然だからな。
案内してくれたシスターの話では、孤児院には下は赤ちゃんから上は13才までの子達が生活しているそうだ。14才になったらそのまま教会に務めたり、奉公に出たり、冒険者になったりするらしい。
年齢に関係なく本人の出来る事、興味を持った物から教えて行く方針だそうだ。
なかなか良さそうだな。メルは仲良くなれるかな?
「メルはここに通うのはどう思う?」
「ん~わかんない」
「そっかー」
「お試しで通ってみる事も出来ますよ」
「そうなんですか?」
「はい、数日通えば馴染む事が出来るかどうか分かりますし」
なるほど、それは良さそうだ。
「では、来週からお願いできますか?」
「はい、お待ちしております」
「よろしくお願いします」
帰りに教会に寄って行く事にした。
「ロイは来たことあるか?」
「ううん、来たことない」
「そっか、じゃあ3人でお祈りして帰ろう」
「「はーい」」
教会の中は意外と広くて、ステンドグラスの窓があった!一部だけだがこの世界に来て初めてガラスを見た!ある所にはあるんだな。
長椅子が並べられていて、100人は入れるのではなかろうか?
奥まで進んで行くと女神像があった。豊穣の女神リーアスと台座に彫られている。もしかして、管理者の一人だろうか?
管理者と神様が一緒かどうかは分からないが、この世界に連れてきてもらったことを感謝しておこう。
『お助けいただきましてありがとうございます』
帰る時にはしっかりと寄付をしてきた。
お読みいただきありがとうございました。




