表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーリンの花のように  作者: きみあきつき
407/896

379 会議出席

 数日クルスルス港に滞在して、思う存分魚介類を購入した俺達は王都に戻って来た。春にしては気温も高くて海に入る事も出来たんだ!水着を持ってきといて良かった。


 王宮に戻ると王太子の部下がやって来て、会議に出席して欲しいと言われた。何の会議ですかと聞くとトンネルの話だと言うので出席する事にした。

 トンネル案はそもそも俺が言い出した事だし、何か問題があったのなら聞いておかなければと思ったのだ。


 メルをメイドさんに預けて向かった会議室の中には、国王陛下と王太子、ラデス殿下と男性が1人と女性が1人円卓に座っていた。

 唯一の女性は黒いローブを着ている深緑の髪に緑目をしていた。そしてなりより髪を押し上げるように長い耳が出ている!?もしかしてエルフか?しかも黒いローブを着ているし、噂に聞く宮廷魔導士長ウッカ様じゃないの!?

 この人が俺が穴に落とした人か・・・

 なんか顔を会わせづらいよな。だから前回も挨拶しに行かなかったわけだし。


「リク君、よく来てくれたね。さあ、座ってくれたまえ」


 陛下にそう声をかけられて俺は一礼して空いている席に座った。王太子とウッカ様の間だね。真ん前にいるよりはいいか。


「会議を始める前に改めてご挨拶させていただきます。リク殿とはロミス殿下の婚約披露パーティーの折にチラッと顔を合わせただけですからね。私はクルスルス国宰相を務めておりますエダン・ローダスと申します。よろしくお願いいたします」

「リクです。こちらこそよろしくお願いします」


 この人が宰相か。ちょっとだけ恰幅のいい金髪に青い目の男性だな。陛下より年上に見えるけど、陛下は若く見えるから同じ位かも?


「ウッカ殿もご挨拶されてはいかがですか?まだお会いした事が無いと聞いておりますぞ?」

「・・・・・」


 そこは触れないで欲しかったな。俺は様子を窺うようにチラリと隣に視線を向ける。宮廷魔導士長様はしぶしぶと言った様子で俺の方を向いて挨拶してきた。


「宮廷魔導士長を務めているウッカです。毎回依頼を受けてくれてありがとう」

「いえ、こちらこそお世話になっています」


 ウッカ様は軽く挨拶を済ませさっさと前を向いてしまう。もしかして俺って嫌われているのだろうか?穴に落とされた事を根に持っているのかもしれないな。触らぬ神に祟りなしだ。あまり近づかないでおこう。


「よし!ではさっそく本題に入ろうか」


 陛下の言葉でまずはトンネル工事についてラデス殿下からの報告が始まった。

 何故か異様に俺を持ち上げてくるのはよして欲しい。俺のお陰でトンネルが貫通するのが早かったとか、そのお陰で作業が前倒しで終わりそうだとか、その分予算が浮くとか。事ある毎に俺の事を入れてくるんだもんな。

 陛下はその報告をニコニコしながら聞いている。


「順調に工事が進んでいるようで何よりだね!思っていたよりも早く開通しそうだし、リク君のお陰だね!」

「いえ、そんな事はありません。皆さんが頑張っているからですし」

「そうだね。皆も頑張っているのは勿論だが君の力が大きい事もまた事実だからね。そんなに謙遜する事無いんだよ」

「はい・・」

「リク殿、少しいいだろうか?」

「何でしょうか?王太子殿下」

「私の事はルシアスと呼んでくれて構わない」

「いえ!流石にそれはちょっと・・」

「君とは長い付き合いになるだろうし、そうありたいと思っている。だからもっと気楽に接してもらいたいのだ」


 そんな事言われても。これ以上お付き合いしたくないんだが。


「・・ではルシアス殿下と呼ばせていただきます」

「・・・・」


 王太子殿下はちょっと不満そうにしていたが、陛下から今はそれでいいんじゃないと言われてしぶしぶ納得していた。

 鋭い目元を更に眇めて何とも恐ろしい!?仲良くはちょっとご遠慮したいです。


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ