40 サンタコス
マージさんからサンタコスが完成したとの連絡を受け『マージ洋服店』に来ている。
「いらっしゃい!待ってたわ!さっ、ロイ君メルちゃんこっちいらっしゃい」
挨拶を交わす間もなく、2人は奥の部屋に連れて行かれてしまった。
俺も早く見たいから文句はないが・・楽しみだ!
手持無沙汰になり、店内の商品を眺めながらしばらく待っていると2人揃って出てきた。
うわっ、めっちゃ可愛い!?
先ずはメルだ!赤い長袖の膝丈ワンピースに赤いフード付きポンチョ、モコモコ白手袋と黒タイツだ!襟と袖には真っ白いふわふわファーがこれでもかと付いている。
ロイの方は、白シャツに赤いジャケットと赤いズボン、ボンボン付き赤い帽子とモコモコ白手袋だ。襟と袖には真っ白いふわふわファー、ジャケットのボタンにもファーが付いている。
当然耳と尻尾用の切り込みも入っている。
「2人ともすっごく可愛いよ!似合ってる!!」
「「ありがとー!」」
ロイはちょっと恥ずかしそうにしてるが、そこがまた可愛い!!
メルはスカートがフワッと浮くのが楽しいのか、クルクル回っている。
「どうかしら?」
「すっごく可愛いです!マージさんありがとうございます!」
「気に入ってくれて良かったわ!私もすごく楽しませてもらったし、またいつでも来て頂戴ね!」
「はい、ありがとうございました!」
素材を持ち込みしたとはいえ、銀貨80枚かかってしまった。だが後悔はない!こんなに可愛い姿が見れたんだ。満足満足。
ちなみに余った素材で俺の帽子と手袋も作ってもらった。マフラーも3人分揃えた。
このまま買い物に出掛けたのだが、かなり目立っていた。中には話しかけて褒めてくれる人もいて、2人とも恥ずかしそうにお礼を返していた。
2人を褒めて貰えるのは嬉しいのだが、目当てのお店に行くのに時間がかかってしまった。
この世界にクリスマスはないが、今日はちょっとだけ豪華な食事にする予定だ!ケーキは無いからマドレーヌっぽい焼き菓子を買って帰ろう。
お読みいただきありがとうございました。




