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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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361 ハンバーグ

 ふんふんふん~ん、鼻歌交じりに玉ねぎをみじん切りにしていく。

 今日はクリスマスだ!!料理スキルを取った事でちょっとだけ料理を作る事が好きになった俺は、今晩のメイン料理にするハンバーグを作っている。

 今までは材料が無いからと諦めていた料理が、スキルを取った事の恩恵か代替品を見つけられるようになったのだ!?ハンバーグに使うナツメグの代わりに似たスパイスを見つけたのだ。いくつかの実を磨り潰して混ぜて作ってあるスパイスらしい。肉はサイクロプスとミノタウロスの合い挽きだ。

 他の料理とケーキはマトさんが作ってくれている。キッチンを広めにしといて良かった!


「リク兄、何作っているの?」

「ハンバーグだよ」

「ハンバーグ?」

「ちょっと変わった肉料理だな!」

「へ~。そうだっ、ラデス王子様の分も作ってね!」

「ラデス殿下の?」

「うん。もうすぐ来るんだよ!」

「メル?聞いて無いよ?」

「あのね、こないだ会った時にね、毎年クリスマスするって言ったら聞いた事が無いって言ったの!だからね参加したいんだって!」

「そりゃ、クリスマスなんて元々なかったしね・・。じゃあメルが誘ったんだ?」

「そうだよ!駄目だった?」

 メルが眉を下げて不安そうに聞いてくる。

「いや、そんな事無いよ!じゃあ多めに用意しておくよ」

「ありがとう、リク兄!!」


 ロイはラデス殿下が来る事を知っているのだろうか?でもまあこれだけ頻繁に家に来ていれば嫌でも慣れるよな。

 明日の鍛錬が激しくなりそうだな。冬季休業に入ってから毎年恒例の鍛錬を庭でも開催しているのだが、俺もロイと一緒に参加する事が多くなった。剣術スキルが増えた事だし、少しずつでも上達したらと思っている。

 その為ロイと打ち合う事が多いのだが、ロイの機嫌によってまあ厳しさが違ってくるよね!スキルレベルが1と2ではやっぱり違うなと実感させられている。ガロさんの時みたいにボコボコとまではいかなくても痛い思いをしている。


 夕方近くになり、ラデス殿下がやって来た。やはりロイは知らなかったようでちょっと機嫌が悪くなっている。それでもラデス殿下とメルを2人にしたくないのかリビングに留まっている。


 俺が作ったハンバーグは皆に大好評だった。そうだろう?美味しいよね、ハンバーグ!!多めに作っといて良かった。

 ラデス殿下だけはメルのサンタコスだけで胸いっぱいのようだけどね。ずっと家に来てからチラチラとメルの様子を見ているんだ。

 今年のメルは珍しくも赤いロングスカートタイプのサンタコスを選んだようだ。ロイもお揃いの赤で、リズさんが紫のこちらもロングスカートタイプだ。ワンピース型だからお腹周りもゆったりしている。


 驚いた事にラデス殿下はサンタコスを知っていた!?

 ラデス殿下によると王都でもサンタコスをする人達が増えているそうだ。冬場に開催されるパーティーに呼ばれて行くと見かける事があると言っていた。

 そうか、ついに王都にまで進出してしまったのかサンタコス!


 こうして今年のクリスマスも和やかに過ぎて行った。ロイ以外は。

お読みいただきありがとうございました。

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