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「お帰り!」
「「「ただいまー」」」
宿に帰るとイジーさんが出迎えてくれる。
「イジーさん、メルを預けられるとこありませんか?」
「どういう事だい?」
言葉が足りなかったせいか、真顔になって聞いてくる。
「明日から仕事に出ようと思うんですけど、メルを連れて行くわけにはいかないので・・」
「ああ、そう言う事かい!何事かと思ったよ!ビックリさせないでおくれよ」
アハハッ、と豪快に笑いながら肩を叩かれる。地味に痛い・・
「そうさねー、教会が運営してる孤児院があるにはあるが・・メルちゃん、おばちゃんと一緒にお留守番するかい?」
イジーさんはメルの目を見て聞いてくる。
「おばちゃんとおるすばんするー」
メルが万歳しながら元気に答える。
「イジーさん、いいんですか?」
「それくらい構わないよ!メルちゃんが受付に居てくれたら、ちょっと用があって離れる時助かるからね」
「なるほど。メル大丈夫かい?」
「だいじょぶー」
「そっか、なら明日からお願いします、イジーさん」
「任せとくれ!」
イジーさんのおかげで心配事が解決した。ありがたいな。
そのまま食堂に行き夕ご飯を食べる。今日のメニューは、肉野菜炒めにパンとトマトっぽいスープだ。
因みにおさげの女の子はイジーさんの娘さんでミミちゃんと言うらしい。13才だそうだ。夫のダンドさんが料理担当だ。家族3人とお手伝いさんで経営してるんだって。
さて、部屋に戻って荷物整理だ。
大きいリュックにはロイとメル、それぞれの衣服を入れておく。俺は自分の登山用リュックを使う。小さめなリュックには普段持ち歩くものを入れる。メルのリュックの中身はほぼお菓子だ。
冒険者道具なんかは俺の収納ボックスに仕舞っておく。出かける時は大きいリュックも仕舞う予定だ。万が一と言う事もあるからな!
「ロイ、防具が出来るまでは草原で出来る仕事にしとこうか」
「うん、そうする」
自分で選んだ剣を大事に抱えながら返事をしてくる。
街に来るまでと同じようなものだから問題ないだろう。
明日に備えて今日は早めにお風呂に入って休む事にした。
お読みいただきありがとうございました。




