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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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186 ウッカ泣く

「ぎゃ~~っ!?何よこれー!!」


 転送部屋に次々送られてくる大袋に、部下を引き連れて部屋に入ったウッカは叫び声を上げた。後ろに控えている部下達も余りの量に固まっている。

 ウッカは自慢の深緑髪を両手でグシャグシャにし、発狂しそうになるのを何とか抑えて中身を確認すべく部下達に指示を出していく。


 事の発端は私の前任者の宮廷魔導士長であり私の憧れの大先輩でもあるササリさんからの通信連絡だ。同じ里の出身で、エルフでは珍しく人里に下りて暮らしている変わり者だった。でも里一番の魔法使いであり、人の世界で初めて宮廷魔導士長になった凄い人なのだ!里のエルフ達の反対を押し切って出て行った所もカッコいい!!私にとっては雲の上のさらに先に居るお方なのだ!!

 どうしても一目お会いしたくて、意を決して里を出てササリさんの元を尋ねたら、何故か気に入られ傍に置いてくれたのだ!?

 あの時は本当に天にも昇る気持ちだったわ~。ふふふっ。

 私も多少は魔法に自信もあったし、ササリさんのお役に立てるよう必死に頑張ったわ!!まさか10年もしない内に宮廷魔導士長の座を譲られるとは思わずに・・・・ヒドイですぅ~ササリさん!!


「魔導士長、これ凄いですね!?兎に角鮮度がいいですし、コカトリスとバジリスクの毒袋がこんなに!!」

「確かに凄いわね!ササリさんはどうやって手に入れたのかしら?」

「ご自分で取りに行ったとか?」

「まさか!?リーリンの花ですら取りに行かないのよ」

「と言う事は、いつも頼んでる冒険者ですか?」

「この量を取って来れる冒険者に心当たりはないんだけどね?」

「不思議ですねー。今度聞いてみて下さいよ」

「そうね、それより無駄にしないように急いで処理しましょ!それからリストも作ってね。買い取るよう言われたから」

「これ全部ですよね?いくらになるのか知りませんが、経理部がいい顔しませんよ?」

「いい顔しようがしまいがササリさん命令って言えばいいのよ!!」

「・・・魔導士長としていつまでもそれでいいのでしょうか?」

「うるさいわね!そもそも私はササリさんに会いたくて来ただけなんだから宮廷魔導士長の座なんてどうだっていいのよっ。あんた代わってくれてもいいのよ?」

「ご遠慮いたします!」


 そう言って部下は荷物の処理に戻って行った。


 荷物の内訳は、数十種類の薬草(中には見た事のない種類あり)コカトリスの魔石・毒袋・羽・肉、バジリスクの魔石・毒袋・皮・牙。

 信じられないほどの量であり状態の良さだ!?

 初めて見る薬草など研究のし甲斐があるし、毒袋だって魔の大森林の新たなゾーン攻略のために大いに役立つはずだ。しかもコカトリスの肉など早々手に入らない貴重品であり、すっごく美味しいという話だ。

 これだけ大量にあるのだから私の口にも入るかもしれない!ふっふっふっ。


 だがしかし、噂を聞き付けた経理部の連中が全て持って行ってしまった!?

 王族方の分を除いて今回の買い取り代金の足しにオークションで売り捌くだとっ。何がこちらの懐も寂しいんですよー、だ!!

 私のお肉が~~~~っ!うぅっ。

 経理部の奴らはもれなく人でなしだ。私自慢の美しい緑目が涙に濡れて愛くるしく輝いているというのに意にも返さずお肉をすべて回収して行った。情の欠片もない冷酷人間どもだ!!

お読みいただきありがとうございました。

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