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詰め所の椅子に座って待つこと数分、大柄の赤茶髪に茶目の中年男性が現れた。身長190cmはあるだろう日に焼けた筋肉モリモリマッチョだ。
「俺はこの町の警備隊長をしているガングだ。獣人の村が魔物に襲われたというのは本当か?」
警備隊長だったのか!?道理で筋肉ムキムキのわけだ。
「初めましてリクと言います。はい、本当です」
俺は、ロイ達と出会ってからの事を話した。
一通り話を聞いたガングさんはロイ達の方を見ながら聞いてきた。
「ふむ、なるほど。襲ってきた魔物の種類は分かるか?」
「はい、オーガでした。5体はいました」
オーガとは人型の魔物で、角の生えた筋肉質な鬼のようなものだ。
「オーガだと!?しかも5体か!それで君が・・リク?だったか、村に向かった時はすでに居なかったんだな?」
「はい」
「そうか、わかった。すぐに調査隊を組もう」
「ありがとうございます」
と、言いながら頭を下げた。こんなにすぐに対応してくれるとは思わなかった。
「それで、だ・・その子達の事だが・・・」
ガングさんはロイとメルに心配そうな目を向けながら聞いてきた。
「ロイとメルとは一緒に居る予定です」
「そうかっ!」
「はい、これも何かの縁ですから」
そう言うと、ガングさんは嬉しそうに何度も頷いていた。
部屋を出る時には2人の頭をワシワシ撫でて、目じりを下げていた。髪の毛がグチャグチャになったが2人とも嬉しそうに尻尾を揺らしていた。耳だってピクピクさせてたのを俺は見逃さなかった。
俺だって後で触ってやるんだからな!
それと、街に入るには身分証明書が必要だが1人銀貨1枚を払えば仮証明書を発行してもらえる。街を出る時に返却すればお金も返してもらえるそうだ。
身分証明には冒険者なら冒険者ギルドカード、商人なら商業ギルドカードを登録すれば貰えるそうだ。
身分証明書がないと言ったら色々教えてくれた。しかもお金を払おうとしたら、情報料代わりだと言って免除してくれた。見かけによらず凄く良い人だった。ありがとう、ガングさん!
冒険者ギルドの場所も教えてもらったし、早速行ってみよう!
お読みいただきありがとうございました。




