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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 しかし暇だ。既に森の中を進んでいるため魔物との遭遇も襲撃も増えているのだが、周りの人達だけで対処できてしまっている。

 近くに居たメシーさんに聞いたところ、今回参加している冒険者達は皆Bランク、Aランク冒険者達なのだそうだ。つまりCランクは俺だけだ。そりゃ俺の出る幕が無いわけだ。

 こうなったらもう開き直って裏方に徹しよう。そうしよう!


 ちゃんとね、魔力感知も危険察知も展開しているんですよ?でも教える必要もないと言うか何と言うか。


 先頭に居る人達は楽しそうにしているなー。さっきから「そっち行ったぞー」だの「へたくそ!」だのキャッキャしている。一番後ろに居る俺とリザロなんか黙々と歩いているだけだ。共通の話題などリズさんの事しかないからな。どう考えても地雷でしかない。

 あまりにも暇なので久々に鑑定を駆使して、薬草やら食べられそうな物を採取しながら進む事にした。


「何をしている?」

「薬草があったので取ってます」

「ここは魔の大森林だぞ?」

「知ってますけど?」

「いつ魔物が出てくるか分からないんだぞ?」

「気は配っていますし、何より皆さんが頼りになりますからね!」

「・・・・」


 リザロが珍しく話しかけてきたので答えながら薬草採取を続ける。

 おおっ!タルルが生ってる!!タルルは緑色の長細いバナナの様な果物だ。これ美味しいんだよね~。俺は嬉々としてタルル採取に精を出す。


「おいっ、いつまでやっているんだ!置いてかれるぞ!!」

「あ、すいません。あとこれだけ」


 慌てて木を降りる。リザロが呆れたように見てくるが、これ美味しいんだぞ?皆の分もちゃんと取ったんだからね?

 ちょっと夢中になり過ぎたようで皆との距離が離れてしまった!速足で皆を追いかける。先頭の方ではまた魔物が出たようで足踏みしているらしくすぐ追いつく事が出来た。良かった良かった。


 その後も今夜の野営地に着くまで薬草、食べ物採取を続けた。今度は皆から離れすぎないように気を付けていたため、リザロから何か言われる事はなかった。

 夕食のデザートとしてタルルを配ったら皆喜んでくれた。


 今の所俺の仕事はかまくらを作る事と薬草、食べ物採取、それと寝る前に希望者にクリーンをかける事だな。仕事とは自分で出来る事を探していかなければならない!別にする事なくて暇だったからだけではないんだよ?ちゃんと自分に出来る事を考えているんですよ?


 今頃ロイとメルはどうしているんだろうか?寂しくて泣いちゃったりしてないかな?瞬間移動とか出来れば飛んで帰るのに!!

 この世界、発展している所としてない所の差が大きすぎませんかね?魔道具とか魔法薬とかあるのにな?

お読みいただきありがとうございました。

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