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俺達は今、ロイとメルが住んでいる村に向かっている。少しでも早く着くためにロイを背におぶりメルを抱きかかえて走っている。振り落とさないように手持ちのロープで括っていて、少し痛いだろうが急いでいるため我慢して欲しい。
こんな事になったのは起きた2人にさらに詳しい話を聞いたためだ。2人は住んでいた村を魔物に襲われたため、一番近くの街に助けを求めて走っていたところ森狼に追われて、魔の大森林近くまで追い詰められ力尽きたらしい。魔の大森林とは俺が彷徨っていた森一帯を指すらしい。あまりに魔物が強くてなかなか奥深くまで入れないそうだ。
そして魔の大森林地帯を塞き止めるかのように君臨する山脈をローヒルミ山脈、森林地帯を分断するように流れていた川をローヒルミ大河というそうだ。大河は途中で分かれていたが、その支流の1つがどうやらロイ達が助けを求めて走った辺境の街ラットルにつながっているみたいだ。大きい川を越えた先に街があると言っていたから間違いなさそうだ。
魔の大森林を抜けると草原が広がっていて、東側に進むと辺境の街ラットルへ、西側に進むとロイ達の村があるそうだ。草原の先にはまた森が広がっているそうだが魔の大森林に比べると魔物は弱いそうだ。そんな草原と森の境目に村があるそうなので、草原を半分くらい進んでから西側に向けて進んでいる。
ロイ達の村から辺境の街ラットルまでは歩いて3日ほどかかるそうだから、子供の足ならさらに時間がかかるだろう。多分だが、ご両親は逃がそうとしたんだろうな・・。
村は大体50人位の集落だそうだ。お年寄りがほとんどで、若い人達はほとんどが街に出て行くようだ。魔の大森林が近いからかラットルには多数の冒険者が集まり、獣人も多いそうだ。村に残っているのは街に馴染めなかったり、何かしら理由がある人達らしい。そして、ロイとメルのご両親は村では比較的若く、村の防衛なんかも担っていたそうだ。それを考えると2人を救援を呼ぶという理由で逃がしたのではないかと思ったのだ。
そんな話を休憩するたびにロイから聞いていた。その間メルはロイにくっついて離れない。メルはロイが大好きなんだそうだ。家でもそんな感じだと聞いて微笑ましく思う。少しでも不安な気持ちに陥らせないようにと話題を振っていたのだが、こっちの方がほっこりさせられた。
俺にもくっついていいんだよ?
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