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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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118 宣伝活動

 先ずは木片を作ってくれた『オッグ工房』だな!

 俺は達磨落としが入った袋をぶら下げで歩き出す。網目の隙間からチラチラ達磨落としが見えていい感じだ。


「こんにちはー、親方いますか?」

「こっちだ!」

「いたいた。親方、達磨落としが出来ましたよ!」


 持っていた達磨落としを袋ごと差し出す。

 受け取った親方は怪訝そうに達磨を見つめている。親方にあげたのは犬の顔が描いてある達磨落としだ。


「・・・これをどうしろと?」

「あははっ!もちろん遊んでもいいですし、お店に飾ってもいいですよ!興味を持ってくれるお客さんもいるかもしれませんしね!」


 周りで話を聞いていた作業員さんや店員さん達が集まってくる。


「これはどうやって使う物なんですか?」

「可愛いですねー」


 反応は上々かな?エミールさん達にしたみたいに実際に達磨落としをやってみせる。


「どうぞ、親方試してみて下さい。力を入れすぎちゃだめですよ」

「おぅ・・・ふんっ!!」


 がんっ!?ガラガラガラッ・・・


「親方・・強すぎです・・」

「ふんっ、これが軟弱すぎるんだ!!」

「いや、子供のおもちゃですし・・」

「親方はダメだなー。俺にやらせてください!」


 見ていた若目の作業員さんが名乗りを上げる。


「ふんっ!」


 コーンッ!!


「上手い!そうですそうです、それ位の加減です!」


 見事達磨を抜いた作業員さんが得意げに周りを見渡す。見ていた他の店員さん達も次々名乗りを上げて順番に達磨落としをやり始めた。


 よしよし!いい感じだ。親方を除いては・・・達磨落としで盛り上がっている人達から目を逸らしている。


「ところで親方・・ちょっとご相談なんですが・・」


 親方の様子を窺いつつ声を掛ける。


「・・何だ」

「値段です。孤児院のバザー用に作ったんですがいくら位が妥当ですかね?」

「ふむ?」

「木材の加工費が銀貨2枚、それに合わせて絵付けに銀貨2枚、専用の袋が銀貨1枚したんですけど」

「そうさなー、銀貨10枚でいいんじゃねーか?」

「えっ!それは高すぎませんか?子供のおもちゃですよ!」

「じゃああいつらも子供か?」


 達磨落としで盛り上がってる面々に目を向けながら聞いてくる。

 そう言われるとなー。


「どっちにしろそれだけ手間がかかってるんだ。むしろ安すぎる方が問題だ」

「そうですかねー。その値段で売れますかね?」

「さーな」


 若干機嫌の直った親方に別れを告げ、また1つ取り出した達磨落としをぶら下げて次のお店に行く。

 順番に『マージ洋服店』のマージさんに兎顔の達磨落としを、『ドスの武器屋』のベムさんに虎顔の達磨落としを、『熊のねどこ』のイジーさんに熊顔の達磨落としを渡して歩いた。

 もちろん遊び方も実演込みで見せて、ただお店に飾って置いてもらうだけでもいいですと伝えた。

 これでお店に来た人が興味を持ってくれて、孤児院のバザーに足を運んでくれたらいいな?っという願望込みの宣伝活動だ。


お読みいただきありがとうございました。

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