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西門では既に警備隊長のガングさんが待っていて指示を出している。
接近戦闘者は外壁の外、遠距離攻撃者は外壁の上に移動と指示された。出来るだけ北側を厚くすると言う事で大まかに人数を分けて移動する事になった。
後、EとFランク冒険者は外壁の中で後方支援に徹するようにとの事だった。
俺は取りあえず西門の外壁の上で待機する事にした。外壁の上では警備兵が慌ただしく準備をしている。どうやら弓を使うようだ。
領主軍も当然参加するようで、軍専用門から草原に部隊が展開している。南側から外壁の上を移動してこちらに近づいて来ているのは魔法部隊のようだ。揃いの藍色のローブを着ているからすぐに分かる。
何だか緊張してきたな。こんな大規模戦闘に参加するのは初めてだ!勝手が分からないから最初は様子見で周りに合わせるようにしとこう。
今の所、ものすごく遠い所に黒い点のような物が見えるだけだ。よく警備兵は見つけたなと思って、そう言えば遠見のスキルがあった事を思い出す。警備兵の中にもスキル持ちがいるのかもしれない。
遠見を使って見てもまだ黒い塊が雲のように広がっているようにしか見えない。
あれは何だ?確か空蜥蜴と言っていたか?近づいてくるスピードは速そうだ。
草原に集まっていた領主軍の準備が出来たらしく順次移動を始めた。街中を移動している部隊があるが、あれは東門に行くんだろうな。
軍と警備隊と冒険者が入り混じって戦うんだろうか?統率とか取れるのか疑問だ。
どうやら軍が主導するらしく西側の外に集まった警備兵と冒険者達に指示を出し始めた。ごちゃまぜにせずに冒険者は冒険者で固めるようだ。そりゃそうだよな、普段団体行動してない奴にしろって言っても出来ないしな。北側も東側もそれそれ領主軍が主導するのだろう。
さっきより空蜥蜴の姿がはっきり見えてきた。名前の通り本当に蜥蜴に翼が生えているみたいだな!確かに竜ではないな。細長くてあれに似ている。あれだ、あの、あいつに似ている。名前が思い出せずもどかしい!あれだ、あの、『ペテイノサウルス』だ!!やっと思い出せてすっきりした!
空蜥蜴の色は深緑だが黒っぽいと言うか濁った深緑だな。大きさは多分1m以上あるだろう。
すでに遠見をやめてもはっきり見えるぐらい近づいて来ている。
先ずは魔法部隊の先制攻撃で空蜥蜴を下に落とせとの指示があった。まあ、そうなるよね。
やはりここは風矢を使うべきだろうな。1本にまとめずにそのまま打ち出すのがいいだろう。
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