マイ ネーム イズ バインドバインド
THE SEED 感染する魔術シリーズ? 今回も文字を読み違え,読み方さえ強制し(ルビばっか)な,感じでお送り致しますので,ご不快を抱かれる場合もあると思われますが,ご容赦下さいませ。
私の名前は”装丁され想定された本”、さぁ魔術を始めよう。
背表紙を嬲るその指先は優しく私の背中に題名を吹きかける。
私の本項を開き、彼は呪怨を吹きかける。
魔女達に祝福を、魔女達に祝福を、この地に災禍を
災禍の言葉とともに私の指先は魔術の剣で切り落とされる。魔術の剣として用を為さなくなった剣はただの剣に戻り、私の瞳は射抜かれる。人であるこの身では視えないものを見るために、私の眼窩は虚ろになり、視たいと思う欲望は見えない世界を形づくる。
私は括られ、縛られ嬲られ曝される。
記述式を開始する。
私はお前を読み違えよう、人間であり清純であったお前を読み違えよう。言葉は力となりお前を創り変える。そしてこの世界に居られなくなったおまえが、生き残るためには違う世界への扉を開かねばならぬ。
そうして私は私の願望器を手に入れる。”THE GATE”それが私の願望器の名前だ。この世界で生成されたそれは決して、この世界に戻ることはかなわぬ、代わり 他の世界に逃避する。
私は、私が、私で有るためには読み手が必要なのだ。読まれぬ物語はもはや世界では無い。存在を認識されぬ存在など存在では無い。ならば私は私のための願望器を選ばなくてはならない、しなやかで、たおやかで、決して折れること無い欲望の羽を持つ書き手を、私の虚ろな眼窩が、私の閉ざされた深淵が、私の心のぬかるみが、そう、あなたを、あなたを、あなたを捉える。そう、これは感染する絶望、ささいな不幸にさえ絶望できる私の性質の産み出した、欲望と絶望のぬかるみ、そうして、それは伝播する。




