第8話 ヨハン復讐にその命を捧げる
個室に一人待たされてるヨハンはじっとしていられなくなり体を動かす。
そうしていればフローラを失った悲しみを一時的に軽減できるから…
そんなヨハンが疲れて座り込むのを見計らったようにブランがやって来た。
「待たせてすまない、これがそうだ」
そう言って差し出されたのは一本の剣。
だがその剣から禍々しい気配を感じとりヨハンは理解する。
「魔剣…ですか?」
「あぁ、人工的に作り出した…な」
「人工的に?!」
ブランから聞かされる話にヨハンは驚きを隠せなかった。
本来魔剣とは怨念等が渦巻く環境に放置された武具がその呪いを吸収した物である。
一度手に取れば持ち主の命を喰らいながら絶大な力を与える物、それが魔剣である。
「これを大量生産して魔人族に最後の突撃をする計画があるんだ」
「勝算は?」
「この武具なら魔人族を殺せる!」
そう言い切るブランの説明によると魔人族は魔法で自らの傷を癒すことが出きるのが大きな差だと言う。
だがこれを使えば治療魔法を無力化する傷を負わせることが出来ると言う。
ヨハンは鞘に封印された剣を受け取りブランに感謝の言葉を伝えるのであった。
それから毎日訓練の日々が続きいよいよ運命のその日がやって来た。
広場に並ぶのは総勢三百人、その全ての人が魔剣や魔斧、魔槍を手にしている。
遥か前方では指揮官が何かを話しているが俺にその声は届かない。
いよいよだ、フローラの仇を取るんだ。
そして、幾つもの部隊に分かれ各々道なき道を進み魔王が現在居ると思われる城へ向かうのであった…




