迷宮のゴリラ
とんとんとんとん
軽快なリズムで階段を登る音が聞こえてくる。
とんとんとんとん。
一体、何段あるのだろうか??
音が遠ざかる。
登る音がしたと思ったら今度は階段を降りる音がした。
と、思ったらまた、登る音。
こんな事をしているのは、私が知っている限り一人しか居ない。
手塚「美也子さん!ここですよ!!」
扉を、あけて声をかけるが、
階段の音は遠ざかろうとする。
手塚「ち、違います!!私がいるのは、二階です!一階じゃないです!!」
私は、そういうと、女の後を追いかけた。
私の名は、手塚冬彦。
×××「冬彦ぉ!もっと早く迎えにこい!!」
そして、私が追いかけて、
やっと追いついた美しい女に私は怒られた…。
その女の名は、春風美也子、探偵である
きた道を戻り、どすどすと階段を登っていく。
その後ろ姿はもはやゴリラ。
美しい容姿とは裏腹に、すざまじいギャップをみせていた。
あの軽快なステップは、どこへやら…。
私が誘導しないと彼女は、簡単に迷子になるのである。
トイレから、二階の部屋まで戻るのに何をどうしたら迷えるのか…建物の前の道路まで迎えに行かなきゃいけない事になるのか、とてもナゾであるが、しかし、危なかったー。
後、1歩遅ければ、美也子は、しばらく行方不明である。
彼女は、探偵なのに究極の方向音痴なのである。
手塚「本日の依頼人は、可愛いですよ!」
美也子「依頼人が可愛いかろうが、可愛くなかろうが、お金をちゃんと、くれる人ならいいのよ!」
美也子は、どすどすと歩きながら答えた。
以前、依頼人が突然亡くなり、報酬をもらい損ねた事がある。
美也子と私で二階に着くと、依頼人がちょこんと待っていた。
手塚「すみません!お待たせしてしまって。」
依頼人「大丈夫です!」
美也子が、左右に首を振り、依頼人に話しかける。
美也子「えっと…。お父様か、お母様は?」
依頼人「私が依頼人です!」
美也子は、少し沈黙した後、
美也子「…失礼ですが、おいくつですか?」
と訪ねる。
依頼人「8歳です!」
美也子「はっ、さ……冬彦…ちょっと…。」
美也子が私に何か言おうとしたとき、依頼人が話だした。
依頼人「お願いです!
私のお父さんとお母さんを探して下さい!!」
依頼人の名前まで書こうと思ったのですが、
続くほうがいいかと思って。
次回は、依頼人は小学生 です!