第6話-召喚された勇者達は忙しいそうです!
うぉぉぉφ(..)
............プシュー
暁が城から去っていった頃、修行の前に勇者達は王のもと勇者お披露目会への準備を行っていた
「ねぇ...これ似合う?」
「うん!その赤いドレスとっても似合ってるよ!鈴ちゃん」
とある城内の部屋に二人のドレス姿の少女がいた。片方は赤色のドレス姿でもう片方は青色のドレス姿をしており、その二人の少女は自分達が実際に見たことや着たことが無い高そうなドレスを初めて着てお互いに互いの感想を述べていた。
「そ...そうかな?....結も凄く似合っているよ、そのドレス」
鈴加が自分を誉められ恥ずかしくなり頬を朱くしながらも、鈴加が向いていた鏡の反対側(鈴加の後ろ)で鈴加の肩に手を置きながら一緒に鏡を見ていた結へと視線をやり素直な意見を言うと、結もやはり嬉しいのか「...えへへ」とニコニコと笑った
「ありがとー。少し似合ってるか不安だったんだ~。」
「そう?わたしはともかく結はスタイルいいから絶対似合うと思ってたよ?」
「そういう鈴ちゃんも最初はこれ..本当に着なきゃダメ?とかわたし絶対似合わないとか勇輝に似合わないって言われないかな?とか勇輝に「うわわわ~!?ストップストップ結!?」ん?どうかしたの?鈴ちゃん」
鈴加がドレス着るのに躊躇しているときに聞いていた言葉を結が指を折りながら思い出し話していると鈴加が顔を先程まで以上に赤く茹でタコみたくして、慌てて結の口を止めようとする。
しかし結はどうして鈴加が頬を赤く染めて慌て出したのかわからず理由を聞いてみた。
「だっただだだって勇輝の事ばっかり...」
「...あ~そっか、そう言うことか~なるほどね~♪鈴ちゃん勇輝君のこと好きなんだもんね♪」
「にゃっ!?にゃにゃにゃなんのことかな!?」
「あはは、隠さなくても鈴ちゃん分かりやすいからすぐわかったよ」
「えっえぇぇぇ!?いっいつから!?」
結は鈴加が勇輝のことを好きなのずっと前から知っていた。というか勇者として呼ばれた四人は小さい頃からの幼なじみなのだからお互いのことを知っており、鈴加の勇輝への想いは大希ですら知っている。
あと知らないのは鈴加の想い人 朝陽 勇輝のみとなっていた。その事を顔を真っ赤にしながら慌てている鈴加へと結が教えると、途端に鈴加は大人しくなり俯いて顔を手で隠しながらしゃがみこむとぶつぶつと呪文のように呟き始めた。
「そ...そんな~。そんなに顔に出ていたかな?なるべく分からないようにしていたんだけど...うぅぅ。幼なじみの二人がわかっていたなんて...でも結ならともかくあのバレンタインを恋愛感情無しの単なる色んな女子からただで沢山のチョコが貰えるチョコの日だと勘違いしていた鈍感な大希まで知っていたなんて...ってことはやっぱり私って分かりやすいのかな?うぬぬぬ...」
などと鈴加は一人で今まで自分が勇輝にしていた行動を思いだしあの鈍感で学校でも有名な大希ですら自分が勇輝を好きであるという事を知っていると聞かされて、これほど顔や行動に現れていたのかと恥ずかしくなると同時に疑問に思うこともできる。
「でも...そんなに出ていたのなら...勇輝も普通ならとっくにわかっていたはずよね?...でもそんな分かっていた風には見えなかったけど..はっ!?まさか!勇輝って大希以上に鈍感なの!?うそ!!」
鈴加は、勇輝が大希よりも実は鈍感だったことに気付きショックのあまり膝と手を床につき「ガクン」と効果音が出そうなほど落ち込み「とほほ..」とする。
そんな鈴加に結は苦笑いをしながらも、鈴加を慰めようとして
「す、鈴加ちゃん。勇輝君が鈍感なのは今に始まったことないよ!頑張ろ?...でも大希君より鈍感だから気づかせるのはムズいだろうね」
「...うぐ!?」
「それなのに第1王女も勇輝君のことをずっと見ていたから多分第1王女も勇輝の事が好きになっていたと思うよ?」
「...ぐふ!?」
「第1王女綺麗だったもんね」
「...う!?」
「しかも王族だし裕福そうだし性格もよく容姿端麗.....これはうかうかしてられないね♪頑張ろ!鈴ちゃん!....って鈴ちゃん?おーい鈴ちゃーん?どうしたの?大丈夫?」
-止めを刺した-
鈴加は結が嫌みではなく純粋な気持ちで慰めようとして紡いだ言葉の刃を受けてノックアウト状態になっていた。その事を知らずに結は突然動かなくなった鈴加を心配し、歩み寄っていく。
鈴加が目覚めたのは勇者達のお披露目会が始まる直前であった。
◆◆◆◆◆◆◆
一方その頃、勇輝と大希はいかにも高そうな服に身を包み鈴加と結のいる部屋へと向かって城内の通路を歩いていた。
「な~この服ちょっときつくねぇか?」
「そうかな?僕はちょうどいいけど。大希、また大きくなった?なんかそんな気がするんだけど...」
「そうか?筋トレしているから筋肉も少しついてきたかもな。どうだ?勇輝も一緒にやるか?」
「い..いや、ぼ..僕はいいかな?..あはは」
「ふーんそうか」
最近体がまた少しごつくなってきた大希に一緒に筋トレをやらないか?と言われたが勇輝はごつくなった自分の姿を思い浮かべ似合わないなと思い苦笑いしながら断った
「あっそういえばさお前、鈴加のこと「勇輝さま~!ここにおらっしゃったのですか~?」....王女か...」
「あはは...そうみたいだね」
大希が「鈴加のことどう思っているんだ?」と聞こうと思った矢先に自分達の後ろの方で勇輝の名を呼ぶ声が聞こえた。その声の主は駆け寄って来ているようで、足音と呼吸音が聞こえてきた。
声の主→王女と勇者達は暁が去った王のまで簡単に自己紹介をしていた。それから、王女は勇輝のことを名前で言いさらには勇輝を見つけると駆け寄って来るようになっていた。
そして、勇輝達は王女が駆け寄って来るようなので立ち止まり待っていたら笑顔で来たのでそれを確認し勇輝は言葉を発した
「それでどうしたの?王女様。なんか僕に用事でもあった?」
「はぁはぁはぁ..,い、いいえ!只私、勇輝様をお見かけいたしましたのでお供いたしたいと思いまして...あと、その..もし何も用事が無いのでしたら私と茶などいかがでも...」
王女は駆け寄って疲れたせいなのかはたまた一目惚れした男児に茶飲みへと誘い出そうとし話しかけ緊張のせいなのか分からないがほのかに頬を朱くし勇輝を誘う
「あ~ごめんね?今から鈴加と結を向かいにいかないとダメだから今は出来ないかな?」
しかし、王女の告白に近い誘いに気づくようすなく勇輝は申し訳なさそうに断るとそれを聞いた王女は落ち込み寂しくなり謝ろうとし頭を下げた
「...そっ...そうですよね....申し訳ありません。勇輝様のご都合も考えず先走った私をお許し下さい」
そんな王女を見た勇輝はいたたまれない気持ちになり「いっいえ!頭をあげてください」と言い次の言葉を喋る
「じゃ、じゃあ鈴加達を向かいにいったそのあとにでも良いいのでしたら茶飲みへと伺っていいですか?」
笑顔でそういった勇輝に「本当は勇輝様とお二人っきりで」なんて言えるはずもなかったので少し残念になりながらも勇輝と少しでも長くいられると思ったのでそれを承諾した
「....は、はい!ありがとうございます!早速準備に取りかかりますのでお連れの方々を連れていらっしゃってください!待っております!では」
といい王女はまたも駆け足できた道を戻っていった。それを見ていた勇輝は王女へと手を振り、今まで黙っていた大希は冷めた目で勇輝を見ていた
「...なぁ?お前本当にあの王女様の気持ちとかわからないのか?」
「ん?何が?気持ちってなに?単に僕たちをお茶会にと、誘いにきたんじゃないの?」
けれども、大希の言葉の意図に気づかず誤解している勇輝に向かって大希ため息を漏らした
(さすがに、俺でもわかるぞ。あれは恋する目だろ。勇輝しか見えてなく俺に気づいた様子がなかったしな。はぁ鈴加も凄い分かりやすいんだが。本気で気づいてないのか?こいつ?)
大希がそんな風に勇輝へと視線をやっていると、とうの勇輝は不思議そうに大希を見ていたが自分達の目的を思いだし前へ進む
「そんなことより、鈴加達を向かいにいかないと。いくよ?大希」
「はぁ...へいへい、わかったよ」
これはいつ実るのやらと呆れ半分面白い半分で大希は内心笑いながら先にいく勇輝へと駆け寄っていく。この時、勇輝があることについて考えているとは知らずに
この後に行われるはずだったお茶会は鈴加が動かなくなっていたため勇者お披露目会の後に行われることになった。
そして、お披露目会は無事になにもなく終わりお茶会が始まった訳なのだが王女と鈴加が勇輝を挟み牽制するように睨みあっていたのは言うまでもない。
そのとき結は苦笑いをし、大希はニヤニヤと笑い、その渦の中心にいる勇輝は何事もないように会話を楽しんでいた。