表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/19

二月二十七日、午前六時五十七分

「ねえ起きて、まー君起きてよ。」

 藤村安寿は布団から意地でも出てこない広岡雅を起こそうと必死だ。

「学校遅れちゃうよ。ねえー。」

「んあー。」

 雅が呻く。

「んもう!」

 安寿は苛立って布団に枕をぶつける。雅からぬふうと声が漏れた。

 先ご飯食べちゃうからねと言い残して安寿は部屋を出た。

 安寿が怒りながらリビングに行く。皿が2枚。その上に食パンが1枚ずつ。椅子に座りテレビの電源を入れパンにかぶりつく。テレビは大陸との戦争の映像を映し出した。アナウンサーが昨日起こった陸戦について語っている。センキョウは引き続き良好。順調にセンリョウチイキを増やしている。昨夜の戦闘では一気に街を3つセンリョウしカイシンゲキを続けている。

 何を言ってるかさっぱりわからない。まー君なら分かるんだろうな。

 安寿は理解を諦めて他のチャンネルに回すがどこも戦争一色。テレビを消した。

 時計を見ると7時12分。そろそろ出ないと。

 赤の色褪せたランドセルを背負って再び寝室へ。歩きながら5年1組の文字がだいぶ薄れてしまった名札をつける。寝室の戸を開けると雅はまだ寝ていた。安寿ははあと溜息をついた後、もう一度枕を投げつけた。

 布団からはぬふうと声が漏れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ