妹は世界で一番可愛い僕のお姫様
玲人視点
僕の名前は如月玲人。如月財閥の御曹司として物心ついたときからいろんなお稽古をさせられて嫌になっちゃうこともあったけど、お父様もお母様も頑張れば頭を撫でたりぎゅって抱きしめてくれたりたくさん褒めてくれる。だからもっと褒められたくて頑張った。でも、最近両親は新しく家族になった妹に夢中だ。両親が妹の話ばっかりする。なんだか胸がムカムカする。
パーティで知り合った友達にその話をしたら友達にも弟がいるらしく、赤ん坊なんてよだれは垂れ流すはちょっとしたことで泣き出すやっかいな存在なんだといっていた。そんな弟の面倒をたまに押し付けられるのは苦痛以外の何物でもないらしい。
僕はまだ妹を直にみたことがない。友達の話をきくと会うのが嫌になってきた。だが、妹に話題をとられ僕が拗ねてると思ってるお母様がついに妹を僕に預けてきた。
「れいちゃん、あなたの妹のれなちゃんよ。だっこしてみて。とっても可愛いから」
そういって僕のうでに妹をのせてきた。
「ばーぶー?」
腕にくるずっしりとしたぬくもり。赤ちゃんてこんなにあったかいんだ。その命の温かさに驚いていたら妹は僕の頬にもみじのような手をかざし、にぱっと音がするような顔で笑った。
それが言葉じゃ表現できないくらい可愛らしくて大きな衝撃を受けた。
妹はよだれなんてこぼさない。離乳食も綺麗に食べる。排泄を訴えるとき以外泣いたりしない。面倒みていろと預けられてもまったく手がかからないんだ。あまりに妹が可愛くてもっと手がかかればいいのに、もっとお世話させてほしいと思ってしまう。
もっと妹とずっと一緒にいたい。
家庭教師の先生に聞いてみたんだ。
「好きな子とずっと一緒にいるにはどうしたらいいの」
「え、玲人様、もう好きな子ができたんですか? ませてますね。異性とずっと一緒にいるには結婚して夫婦になるんですよ。そうすればお互い死ぬまで一緒、死んでからも同じ墓にはいれますよ。で、好きな子ってどこのご令嬢なんですか、こっそり教えてくださいよ」
「お前は口が軽いから嫌だ」
「えー」
そうか、結婚すればいいのか。早速お父様とお母様にお話しにいかなくちゃ。
「お母様、僕玲那と結婚する!」
「あらあら、れいちゃんったら。結婚したいほどれなちゃんが好きなのね。でもね、れいちゃん、兄妹は結婚できないのよ」
「なんで?」
「法律では近親者は結婚できないの」
「ふーん」
法律で妹と結婚しちゃダメってきまってるんだ。じゃあ法律を変えればいいんだよね。よし、将来偉くなって法律改正しよう。
ああ。まっていてね玲那。お兄ちゃんは玲那のために頑張るから。
(妹は世界で一番可愛い僕のお姫様)