第5法 「基礎」
「次はムーナイトくんよ」
スハイルさんはムーナイトの手首を掴み、容赦無く手のひらに短剣を突き立てる。
「ぐっ…!」
すると、ムーナイトの杖から、水魔法が飛び出した。
「ムーナイトくんは、水属性魔法使いね」
「水属性魔法使い…?」
ムーナイトは自分の手をみつめた。
「そう、魔法使いには得意な魔法が最大でも5つあるの。それは生まれつきだってこともあるし、修行、勉強をして得意な魔法を増やすこともできる。魔法ってすごいの!それでね、ラモールくんは氷属性魔法使い、ムーナイトくんは水属性魔法使いだから、ムーナイトくんの水魔法を、氷になるよう命令すると、ラモールくんの攻撃にもできるし、ラモールくんの魔力だって回復できる。逆にラモールくんの氷魔法を溶かして、ムーナイトくんのものにもできる。2人って相性抜群よ!」
______自分の魔法を仲間のためにできる。それなら、戦闘も苦労することはない…。スハイルさんの言うとおり、魔法ってすごい!
「あのスハイルさん」
ムーナイトが手を挙げた。
「どうしてこんな短剣を手に突き立てる必要があったんですか?」
ラモールは自分の手を見つめる。不思議なことに、まだ痛みは感じるが血は出ていない。
「魔法ってね、貴方たち魔法使いの武器…すなわち、貴方たち魔法の主がピンチや危険な状態に用いると、魔法が発動するのよ。さっきやったのは、手のひらに短剣を突き立てて、貴方たちをピンチな状態に誘う。そして主を守ろうとして発動される魔法が貴方たちの得意な魔法なの」
______スハイルさんはものすごい魔法の知識がある。こんな人が〈師匠〉になってくれたら、魔法がもっと強くなりそう…。そしてもっと得意な魔法を増やしたい!
と一つ、ラモールに疑問が浮かんだ。
「スハイルさん。俺の場合指輪、ムーナイトの場合杖を持つと、なんで魔法が発動できるんですか?」
ラモールは指輪を手のひらに乗せる。
「その指輪や杖を持たないと、魔法を発動出来ないってことはないんだけど、それを持つ又はそれを身につけると魔法が強くなるわ。それで、そういうものを "化身" というのよ。魔法が強くなるおまけに、それをずっと身につければ、自分の体内の魔力以外にも、化身にためた分の魔力を使えることもできるわ。化身は持たないと損よ」
「化身……」
「あと化身は何個か持てるけど、持ちすぎると魔力がコントロール出来なくなるから、持ちすぎには注意ね」
「「はい」」
そこあと、スハイルさんはパンと手を叩いた。
「これで魔法の基礎学習終わり!これからは私とカウスが教えていくわ。アルは王の元へ行ってるからね」
「「はい!」」
これから、本格的に魔法を学べる…!




