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第7話 ラバウル防空戦:後編

空戦を終えてラバウルに戻った零戦隊は損傷機から順に基地へ着陸した。

半分の約50機は上空で待機。

まだ燃料は1時間か2時間は飛べる量がある。

しかし弾薬はかなり消耗したため早く補給をしたかった。

操縦困難に陥っていた3機のうち2機は無事着陸。

しかし1機は車輪が下りず胴体着陸をしたが炎上、パイロットはかろうじて脱出に成功した。

他の機も順次着陸していき燃料補給を開始する。

空中待機以外の全機が着陸を完了したとき、ラバウル基地の電探が何かをキャッチした。

この電探は性能が恐ろしく低く、「ある方角に何かがある」ということがわかる程度の代物だが、とりあえず試しに配備されていたものだった。

電探が捉えたものが何か、それは敵の第2波の攻撃隊しかない。

基地にいる全兵士が弾薬や燃料缶を持って走りまわっていたが、補給中の零戦隊が離陸できるまでにはどんなに急いでも30分はかかる。

それまでは空中待機中の零戦隊が持ちこたえるしかなかったがそれはさすがに厳しかった。


15分後、敵機の大編隊を視認。

100機ほどの航空機が向かってきていた。

先ほどの戦闘で疲れている日本機と違い元気いっぱいの米機がラバウル在泊中の艦隊や航空基地へ攻撃をかけてきた。

敵の艦攻隊は日本軍の戦闘機隊の攻撃を受けつつもラバウル港上空へ侵入、雷撃を開始した。

ラバウル港には未だに出港できていなかった第8艦隊がおり、それらは雷撃にさらされることとなった。


集中攻撃にさらされたのはラバウルにいた艦の中でもっとも大きい重巡洋艦の「青葉」と「衣笠」だった。

「青葉」「衣笠」は精一杯対空砲火を撃ち上げ、戦闘機隊もなんとか雷撃を防ごうとしたが、敵戦闘機に妨害され雷撃を防げなかった。

あわせて26機のデバステーター雷撃機が魚雷を投下、うち6本が命中した「青葉」は大火災を発生させ大きく傾斜していった。

また少し離れたところにいた同型艦の「衣笠」も5本の魚雷を喰らい黒煙に包まれていた。

この2艦以外は大きな損害を免れた。


また飛行場にも敵急降下爆撃機が来襲。

ドーントレス急降下爆撃機は飛行場に駐機中の零戦や隠しきれなかった一式陸攻などに爆弾を投下していく。

もちろん滑走路や飛行場施設も攻撃の対象となっている。

そして敵戦闘機隊はご丁寧に仕上げの機銃掃射をして引き揚げていった。

零戦隊は初めこそ敵戦闘機隊と交戦したものの後半はほとんどの機が弾切れを起こし反撃できなくなっていた。

地上にいた機は何機か離陸を試みたが途中で機銃掃射を受けたりしてほぼ地上で撃破された。


結局この戦闘での損害は零戦11機を撃ち落とされ、5機が被弾。

また地上で零戦8機、九九式艦爆4機、九七式艦攻7機、一式陸攻18機が破壊され、その他15機が機銃掃射で被害を受けた。

滑走路や飛行場施設の一部も被弾。

航空機の運用に大して差支えはないが航空隊司令部が被弾し、飛行隊長数名が負傷した。

また艦艇の損害は重巡洋艦「青葉」「衣笠」が沈没。

また、機銃掃射で41号掃海艇が損傷した。

こちらの戦果は敵機15機の撃墜のみ。

連合艦隊としては、重巡2隻の損害は大きかった。

しかし、米機動部隊も航空機をこれだけ撃ち落されればしばらく活動は鈍るだろう。

つまり今回の戦闘は痛み分けに終わったといえる。

しかしこの日の夜、米機動部隊は思わぬ被害を受けることとなる。




更新が遅くなったり早くなったりと不規則ですいません。次話は遅くても来週の土曜までには出したいと思いますんでよろしくお願いします。

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