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第6話 ラバウル防空戦:前編

第2次ソロモン沖海戦後、連合艦隊ではいかにして米機動部隊をおびき出しこれを撃滅するかということが話し合われているがなかなか決まらなかった。

妙案がでないまま月日は流れていく。

そして9月2日、ラバウル基地から緊急電が入った。


「敵艦載機の大編隊、当基地へ接近中との報告あり。ラバウル航空隊の総力をあげこれを迎撃す」


連合艦隊司令部は大騒ぎとなり至急ラバウル港の在泊艦艇に脱出を命じ、ラバウル航空隊には戦闘機隊全力での迎撃と攻撃機などの機体の擬装を命じた。

少しでも航空機の損害を小さくするためである。

また、敵機動部隊の捜索のためソロモン諸島方面にいる潜水艦部隊に対し敵機動部隊の捜索を命じ、トラック諸島の水偵基地からも二式大艇を索敵のためソロモン方面へ出撃させた。

そして第3艦隊にはいつでも出撃できる状態にするように命令を出した。

しかし、敵を見つけたとしても攻撃できる可能性は限りなく低い。

今回は完全に後手に回ってしまっておりいかに損害を少なく切り抜けるかが問題であり、それは前線部隊の奮闘にかかっていた。



ラバウル航空隊は基地にいた零戦105機に全機出撃を命じ、一式陸攻145機、九九式艦爆や、九七式艦攻など85機には空襲に備え擬装するようにを命じた。

草むらや密林の中にいれたり上から草をつけたネットをつけたりしてなんとか見えないように隠していく。

この作業には陸軍や陸戦隊の兵士も動員された。

たまたま偵察飛行中の一式陸攻が約450キロメートルも離れたところで見つけてくれたから(この後無論撃墜された)何とか時間が1時間以上あったからこうして迎撃や擬装ができるわけで突然の奇襲だったら間違いなくラバウル航空隊は大損害を受けていただろう。


ラバウル港でも空襲に対する準備が始まっていた。

このときラバウル港には第8艦隊の重巡洋艦4隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦7隻、それに輸送船5隻と哨戒艇などの小型艦が8隻ほどいた。

とりあえず重巡と軽巡、それに駆逐艦はビスマルク諸島を迂回してトラック諸島へ脱出することとなり輸送船と小型艦は島影などに隠れて空襲をやり過ごそうとした。

第8艦隊は出港用意などほとんどしていなかったためすぐには出港できず、第1波の空襲は免れそうにもなかった。


敵機発見から25分後、零戦隊は全機離陸を完了。

できるだけラバウルから離れた洋上で食い止めるべく敵編隊が発見された方角へ向かった。

敵機は報告によると150機ほど。

敵の数のほうが多いが、零戦隊のパイロット達は自分の腕には自信があり、自分達なら食い止められるし、それにこれだけたくさんの敵機がいるんだから自分の撃墜数を伸ばすいいチャンスと思っていた。


それから15分後、洋上で敵編隊を発見。

高度を上げ有利な状況で戦闘へ入ろうとした。

敵はこちらに気づいたのか一部の機が前に出てきてそれ以外は散開。

こちらは撃ちもらすわけにはいかないのでいくつかの飛行隊を両翼へ展開させる。

そして数分後、空戦は始まった。

200機を超える航空機が入り乱れて火花を散らす。

あっちでは敵戦闘機が火達磨になって落ちていき、こっちでは零戦が空中で散るすさまじい戦闘となった。

零戦隊は敵機を一機も撃ち漏らすまいと奮闘する。

もし敵の爆撃機や攻撃機を逃せばラバウルの艦隊や航空隊は大打撃を受ける。

それは防がないといけないとパイロット達は零戦を手足のように操り敵機に銃弾を見舞っていった。


戦闘開始から30分後、敵機は耐え切れなくなったのか逃げ始めた。

パイロット達は追撃して一機残らず叩き落してやろうと思ったが、飛行隊長達は第2波が来る前にラバウルへ帰還し、燃料や弾薬の補給を行うと命令したため渋々引き上げる。

結局この空戦での戦果は報告を総合すると57機を撃墜し、30機余りに損傷を与えていた。

多少の誤認はあるにせよ大戦果である。

こちらの損害は15機が撃墜され11機が被弾、うち3機は操縦困難でありふらふらしながら飛んでいる。

ラバウルに戻ったら被弾機から優先して着陸させ半分は空中待機することにした。

すでに敵の第2波はラバウルの近くまで来ているかもしれない。

パイロット達は急いだ。


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