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第12話 第3次ソロモン海戦開始

敵機の大編隊が現れたのは敵の偵察機を撃墜してから約2時間後の午前10時8分のことだった。

見張り員の望遠鏡が水平線からでてきた豆粒のような敵機をとらえたのだ。

報告を受けた山本長官はすぐに命令を下した。


「敵機襲来の報を機動部隊に伝えてあげて下さい。飛来した方角も忘れずに。我が艦隊は少し各艦の間隔を詰めましょう。集中した弾幕を撃ち上げるのです。『鳳翔』には手持ちの戦闘機全機を迎撃にあげるよう伝えてください。それとラバウル航空隊にはさらに援護の機体を要請しておきましょう」


長官の命令に従い艦橋内で人が慌ただしく動き始める。

一方「鳳翔」では命令を受けとる前にすでに零戦が次々に発艦していた。

丁度燃料補給のため収容していたラバウルからの機体が離艦し終わって搭載機の出撃用意をしていたところだったからだ。こうして約70機の零戦が迎撃に上がった。


そして5分程経つと敵機と味方の迎撃機の戦闘が始まった。

敵の編隊は戦闘機80機、艦上爆撃機40機、艦上攻撃機70機に双発爆撃機50機が加わっていた。

双発の爆撃機と戦闘機の一部はどうやらガダルカナルから飛んできたらしい。


「敵機の数が多いな…」


長官がつぶやく。

確かにこれだけ来ると迎撃戦闘機だけでは全然足りない。

かなりの損害が出るだろうと覚悟した。


それでも零戦隊は敵機の迎撃に全力を尽くした。

彼らのほとんどはラバウル防空戦を経験しており、あのとき味方を守りきれなかったことを悔やんでいた。

だから今度こそはとめてやると硬く決意していたし、必死になって戦った。

しかし、それでも3倍以上もいる敵機をとめることはできなかった。


零戦の攻撃を潜り抜けた爆撃機や攻撃機が第1艦隊に襲い掛かる。

その彼らを日本艦隊が猛烈な対空砲火で出迎えた。

実は第1艦隊の戦艦郡はミッドウェイの敗戦の後残らず工廠に放り込まれて徹底的に対空兵器の増強が行われていた。

「長門」級は副砲を全部撤去され「山城」級や「伊勢」級は副砲だけでなく中央部の2基の主砲まで取られ高角砲や機関砲をどっさり積んでいる。

その対空火器がすさまじい弾幕を張っていた。

これに近接信管があれば…というところだが日本海軍のだれもがそんなものを知らない。


しかしこの弾幕をも潜り抜けて敵機は爆弾や魚雷を投下してきた。

特に「大和」や「長門」が集中攻撃にさらされていた。

まず戦闘開始15分で250キログラム爆弾2発が「大和」中央部に命中し高角砲1基と機銃座2基を吹き飛ばし20人近い兵士が死傷した。

25分には左舷中央部に魚雷1本命中。

33分にも左舷前部に雷撃を受けた。

浸水はすぐにおさまり戦闘航海に支障はなかったが兵士数名が海に投げ出されてしまった。


空襲は約1時間で終わった。

上空を飛ぶ零戦隊は42機まで減ってしまっている。

彼らは奮戦し、対空砲火とあわせて敵機44機を撃墜し30機ほどに損害を与えたようだ。

そして艦艇の損害は駆逐艦1隻が沈没、重巡洋艦「高雄」が魚雷3本を受けて大破し駆逐艦2隻に付き添われて後退。

戦艦「長門」は魚雷4本と爆弾5発を喰らい速力が16ノットまで低下、艦隊から落伍した。

他にも戦艦「大和」「武蔵」「伊勢」などが損傷している。



「まだ機動部隊は敵空母の所在をつかめないのか!?」


宇垣少将が少しイライラした声で通信参謀に問う。


「はっ、まだ報告はありません。一部の海域では悪天候のため少し手間取っているようで…」


通信参謀が答える。


「くそっ、このままじゃこっちが危ないぞ。損害が予想以上に大きい。空中の零戦隊もまだそれなりの数はいるがもう弾薬がないだろう」


草鹿龍之介少将も宇垣少将同様イライラした声で言う。彼は今回航空参謀として「大和」に乗っていた。


「そうだな…、弾薬切れの機体は格好の的になるだけ…。仕方ない、零戦隊をラバウルに帰そう。参謀、航空隊にラバウルに帰るよう伝えてください。あと30分から1時間すれば次の応援が来る。それまで自力で持ちこたえよう」


山本長官はそう言って外を眺めた。その視線の先にはもう次の敵機が現れていた。


どうも山本長官の発言がぎこちなくなってしまってます。実際彼は敬語を部下に対しても使っていたようなことを聞いたので敬語でいきたいところなんですが第1話のほうでは常態になっていたりと…。どうも自分は手抜かりがあるようです。

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