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第1話 米軍の上陸 

注意:この小説では、実在した人物や艦艇を多数使わせていただいていますが、架空戦記ですので細かい人物名や各航空隊の戦力などは実際と違いますし、戦闘の結果なども実際の戦史とまったく違います。当たり前ですけどね。

「長官!ツラギ・ガダルカナル両島守備隊から緊急電です!」


電信兵の緊迫した声が広島湾に停泊中の戦艦「大和やまと」の艦橋内に響いた。


「どうした?読み上げなさい」


山本五十六連合艦隊司令長官は落ち着いた声でたずねた。


「はっ!『ツラギ島[ソロモン諸島の島の一つ]守備隊より緊急電。米軍、本島に上陸を開始せり。敵の攻勢大規模にして、我、最後の一兵まで戦うつもりなり。武運を祈る。天皇陛下万歳』『ガダルカナル島[同じくソロモン諸島の島の一つで、同諸島中最大の島]守備隊より緊急電。米軍およそ1個師団、本島に上陸を開始せり。敵航空機も確認。我が航空基地は完成間近、我、最後の一兵まで死守せんとす。武運を祈る。天皇陛下万歳』」


長官が報告を聞き終わるとすぐ横にいた宇垣纏うがきまとめ少将が言った。


「長官!好機です。敵はわが航空機の活動圏内におります。すぐラバウル航空隊に命令し敵輸送船団を叩きましょう」


長官は即こう返した。


「うむ。ラバウル航空隊に出撃命令を出せ。ただし敵機動部隊が出ているようから警戒を怠るな。攻撃隊は二波に分けて出すんだ。ガダルカナル島の守備隊には抵抗せず密林ジャングルへ後退するように言っておけ。それと我が第1艦隊と第3艦隊をトラックまで進出させておこう」


「長官、戦艦を出されるのですか?」


そう言ってきたのは参謀の黒島亀人大佐だ。確かにこの状況では空母部隊である第3艦隊はともかく戦艦部隊である第1艦隊など使いようがないように思える。


「この戦いはきっと長期戦になる。米軍は大軍を揚陸した。死ぬ気で守るはずだ。敵艦隊と一戦やれるかもしれん。それに戦艦の艦砲射撃は強力だ。陸兵の大きな手助けにもなるだろう。それと開戦以来ずっと内地に座り込んでるこいつらにたまには運動をさせてやらないとな」


黒島大佐は少し口元を緩ませ、確かに、と返し暗号を送るために艦橋を出て行った。


1時間後、ニューブリテン島各地の航空基地から第1時攻撃隊が出撃した。

零戦18機、一式陸攻27機からなる攻撃隊は2時間半後にガダルカナル島上空へと到着、上空に敵機はいないもののものすごい対空砲火に迎えられることになった。

陸攻隊は対空砲火をかいくぐり海面ギリギリまで高度を下げ雷撃を開始、一式陸攻の爆弾倉から次々に魚雷が投下されていく。

水飛沫をあげて海中へと入った魚雷はしばらく潜っていくと少し深度を上げ、調停された深さ5メートルを進んでいった。

そして何本かの魚雷は敵艦へぶつかって爆発、大きな水柱を立てた。

炎上した艦艇から上がる爆煙で空が覆われていく中、第2波の攻撃も始まった。

零戦15機に護衛された一式陸攻23機は水平爆撃を行うべく爆撃航程を開始、敵艦の真上までくると次々に25番爆弾(250キログラム爆弾)を投下した。

ヒューと甲高い落下音を立てながら落ちていき、敵艦や海面に叩きつけられ炸裂し、盛大な水柱や爆煙をあげた。

爆弾倉を空にした陸攻隊は帰投し、零戦隊も付近の艦艇や上陸した部隊に機銃掃射を加えて帰路についた。

しかし、この攻撃では大した戦果はあがらなかった。

航空隊は零戦2機と一式陸攻5機を失ったのに対し、敵艦隊に与えた損害は物資を揚陸し空になった輸送船3隻を炎上させたのと、護衛の駆逐艦1隻に爆弾1発を命中させただけだった。


一方、攻撃不十分との報告を受けた連合艦隊司令部(戦艦「大和」艦上)では次の攻撃作戦を練っていた。

ラバウル航空隊だけでは敵に決定的打撃を与えることはできない、しかし第1艦隊も第3艦隊も内地にいるためすぐに駆けつけることはできない。

とりあえず内地や台湾に残っている零戦と一式陸攻にラバウルまで移動するよう命じたものの、すぐに攻撃できる手段が見つからなかった。

しばらくして司令部内に再び電信兵の声が響いた。


「長官!ラバウルの神重徳かみしげのり大佐より意見具申の電報が来ております」


どうでしたか?次の話もできるだけ早く書いていきたいと思っています。作者は今回初めてこういう戦記ものに挑戦しました。次に生かしていきたいので、是非今回の話に対して意見や感想、誤字脱字等の指摘をお願いします!

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