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売春島  作者:
7/12

みつこ

民宿「みつこ」に戻り、無事チェックインを済ませた俺は隆夫と光一と順番でシャワーを浴び、汗を洗い流してから食堂へやってきた。夕食のメニューは、海鮮の刺身、煮魚と、しゃぶしゃぶだ。正直、食事には全く期待していなかったのだが、かなり豪華だ。

俺たちは空腹に任せ、貪るように夕食を食べた。

上手い!!

刺身は噛み締める程に魚そのものの味が口の中に広がる。普段よく食べている回転寿司とはモノが違う。

煮魚も良く味が染み込んでおり、素材の味とあいまって素晴らしい逸品だ。

そして、更に俺たちを驚かせたのははしゃぶしゃぶである。昼の焼肉も美味かったが、これはまた更に上をいく。舌の上でとろけるような食感はまた初体験の物である。これもまた鹿なのだろうか?

「この肉、メチャウマですね!こんな肉食ったの初めてっスよ!」

隆夫の言葉にみつこが嬉しそうに答える。

「そうでじゃろう。肉が新鮮だからいいんじゃよ。お昼に取れたばかりじゃから、実はこの肉は、マ……」

「鹿ですよね!昼にみやこ食堂で食ったんですよ!本当に美味い!」

みつこの言葉を遮る様に隆夫が間髪入れずに答える。みちこはその言葉に、笑顔のまま答えた。

「そ、そう。鹿じゃよ、鹿。良くしっとるのぉ」

「俺、こんな上手いモン初めてだわ!これ食っただけでもこの島に来たかいがあったっス!」

隆夫の調子良さに呆れながらも、俺もまた同じことを思っていた。


「ふぅ〜!腹いっぱいだ」

食事は終わった。飯は美味かった。しかし、本当のところを言うと、飯はどうでもいい。時刻はまだ六時半。俺は、いよいよ、この旅の真の目的に踏み出そうとしている。

「あっ、あの……、昼間聞いていた件ですが……」

俺の言葉にみつこはニヤリと笑った。

「あぁ、あんたらも好きだねぇ。港の方にある、スナック『絵美』に行ってみなさい。可愛い女の子がたくさんおるよ」

「ありがとうございます!」

俺たちは三人同時に立ち上がり、礼を言った。

その時、光一がふと尋ねた。

「あの……、正木さんはもう店に行ってるんですか?」

少しの沈黙の、後でみちこが答える。

「あ、あぁ、正木さんじゃったら急に用事が出来たとかで、夕方の便で帰ったよ。全く、忙しい人じゃ」

そうなのか。まぁ、でも今はそんな事はどうでもいい。


明日の朝には今見えている世界も変わるのだろうか?

俺たちは戦場に赴く戦士のように港へ向かって歩き出した。


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