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売春島  作者:
3/12

その頃光一は

うるさい二人は島を周りに行った。僕は早速ipadを出し、調べ物に集中した。調べ物は大きく二つ。

一つはK島についての情報の収集だ。なにしろ情報が少なすぎる。今夜泊まる宿さえ決めていないなんて自殺行為だ。これまでの調査の結果、以下の情報は集める事ができた。


・H島からK島までの定期便は一日二回。十時と十七時。K島からの帰り便はその三十分後、十時半と十七時半の二回。

・K島には幾つか民宿がある。

・島は周囲十キロほどで少し大きめの孤島である。

・鬼伝説が存在する。


この程度集まれば充分だろう。鬼伝説というのが少し気に掛かるが、今はそんなことにこだわっている場合ではない。僕は素早く二つめの情報収集にあたった。

なにしろ、こちらは童貞なのだ。できる事なら今夜卒業してしまいたい。この旅行の話が出てからずっと勉強してきた。まるで試験直前のように例の集中力で復習をする。これまでの勉強の結果。以下のことは頭に叩きこんだ。


・女性にはとにかく宝物を扱うように優しく接すること。

・過去のことは聞いてはならない。心の広い男を演じるべし。

・最初はキスから入り、流れるようにピーへと移り、ピーをピーしてピーピーピーすべし。

・事が終わった後にすぐに寝てはいけない。その後のトークにこそ漢の真価が現れると思うべし!


えっと、それから……、


プォーッ!!


まだ調べ物の途中であったが、船の到着を知らせる汽笛が響いた。「弁天号」と書かれた船が眼前に見える。

まあいい。こいつさえあれば何とかなるさ。僕はipadをポンッと叩くとカバンにしまった。次にこの船に乗る時、僕は男として大きく成長しているはずだ。

そう確信しながら帰ってきた二人と共に「弁天号」に乗り込んだ。


しかし、その時の僕は大きなミスを犯していることに気づいていなかった。


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