第4話 兵器取引
《登場人物》
ジェイソン・リー (34) 合衆国政府公認消去人
ロバート・サランドン(37) 元合衆国陸軍中佐
イル・マーレー (31) 同 サランドン中隊 軍曹
アンドリュー・クレイ(58) 合衆国大統領
ポール・マーサン (48) CIA長官
9月10日 午後11時
ボルチモア港の317番倉庫では、ロシアンマフィアのイワンとその部下が、暗く広い倉庫の中でロバートが来るのを待っていた。
イワンは、葉巻を吸いながら自分のリムジンで、腕時計を見て深い溜め息をついた。
「遅すぎる……遅すぎる。あいつは何をやっているのだ?」
それと同時に、倉庫の入り口から、1台のトラックと2台のSUVが入ってきた。
イワンは、やれやれと思いながら、リムジンのドアを開けリムジンから降りる。SUVから、ロバートを含め、イルやその部下たちが下りてくる。
ロバートはお気楽な調子で、イワンに話しかける。
「いや~~悪かったな、ちょっとしたいざこざがあってね・・・ここに来るまでに時間が、かかったのだ・・・」
ロバートのお気楽な言い訳に対して、イワンは、イライラを募り、たまった怒りを爆発させる。
「貴様! 今どういうことか分かっているのか? ふざけやがって! まぁいい、例の物はちゃんと揃えて持ってきているのか?」
ロバートは、イルに鍵を渡し、
「おい、あれがトラックに入っているから、物を出してやれ!」
「はっ!」
イルは、トラックのカギを開けてから貨物入れを開き、少し大きめの木箱と一つのアタッシェケースが入っている。
イルは、貨物入れに入り、大きめの木箱を、3人の部下と一緒に取出して、イワンとロバートの近くにまで持っていき、丁度、真ん中に置いて、ロバートがイルから手渡されたレンチで、木箱の上蓋をこじ開けた。木箱の中身は、拳銃らしきものが、ずらりと並べられてあり、アタッシェケースの中には、その拳銃に対応する専用の銃弾がそれぞれに入っていた。
イワンは、どういうものか・・・分からず、ロバートにどういうものかを訊いた。
「おい・・・なんだ、これは? おい、まさかこれが、最強の兵器じゃなかろうな?」
「おいおい、馬鹿にされちゃ、困るぜ・・・いいか、これこそが、最新で最強と呼ばれる銃器、ミサイルガンとはこのことなのだよ・・・」
「ほう、では説明してもらおうじゃないか・・・ミサイルガンとやらを・・・」
「いいだろう!」
ロバートはミサイルガン1丁を取出し、イワン達に説明する。
「まずは、拳銃の発射口にこの専用の弾丸を一発取り付ける。次に、リロードしてから、安全装置を外して、目標に向かって撃ち込むだけだ。」
「ほう・・・なかなか、簡単な方法じゃないか・・・・・・」
「ああ、そうだろう? しかも、ミサイルガンの弾の中には、目標を定めて追尾することだってできるから、この不安なご時世や消したい人ができた時に花束の代わりに、派手に送ってやれるようにだってなったのさ・・・レーザーサイトと遠隔レンズもつけているから、ブレの恐れは心配ないはない……」
そう言い、ロバートは、イワンにミサイルガンを渡し、イワンがミサイルガンの釘付けになっているところから、どうやらイワンは気に入っているようだなと感じ取っていた。
イワンはミサイルガンを気に入り、取引としての条件を、ロバートに訊く。
「いやはや、最高の武器だな。これならいくら出したって悪くねぇな・・・・・・いくら欲しんだ? 言って見ろ?」
「そうだな・・・・・・1丁、100万ドルでどうだ? 10丁で1000万ドルだな……」
「よし分かった・・・支払おう!」
イワンは、部下にアタッシェケースをリムジンから取り出して、ロバートのところまで持って来て、ケースのカギを見せる。お馴染みのベンジャミン・フランクリンの肖像が入ったお札がそれぞれ束で、ぎっしりと詰められている。
「よし、取引成立だな・・・」
ロバートが金の入ったケースを取ろうとしたとき、遠くから、眩しいライトがロバート達を照らし、明かりがどんどん強くなって広がっていく。そのライトは、大型のトレーラーだった。トレーラーは、ロバートとイワンのもとに猛スピードで突っ込んでくる。
ロバートは一瞬の危険を察知した。(このままだと、自分の下にトレーラーが突っ込んでくる・・・)ロバートは、急いで、トレーラーから左に前転回避した。
「ちっ・・・」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
イワンは、避けることができず、そのままトレーラーの正面と倉庫の鉄骨柱と挟まれ、息絶える。
トレーラーは、鉄骨柱が頑丈で、衝突と同時に停止した。トレーラーの運転席には誰も乗っておらず、トレーラーのアクセル板には、鉄パイプが突っ込まれていた。
ロバートは、急いで立ち上がり、イワンの部下たちを指差し、イル達に命令する。
「これは罠だ! 殺るんだ!」
そう言い、ロバートは自分のスーツのサスペンダーの左ホルスターから、ピストルの《H&K USP》を取出し、イワンの部下達に向けて、引金を引く。
イル達も、マシンガンの《H&K MP5》を使い、ロバートを援護する。イワンの部下達は、拳銃出す暇なく、ロバート達の放つ弾丸によってなす術もなく、鮮血を流しながら倒れていく。倉庫内で銃撃戦を展開する中で、倉庫の天井の天窓が割れ、防弾の戦闘スーツと防弾ヘルメットを着けた、ジェイソンが、ワイヤーロープで降りながら、ロバートやイル、その部下にめがけて、アサルトライフルの《FA―MAS》の弾丸の雨を放つ。
ジェイソンの放つ弾丸は、ロバートの部下3人のそれぞれの心臓、右胸や頭に当たり、それぞれの鮮血が流れる。
「うっ・・・」
「ごはっ・・・」
「ぐはぁ・・・」
ジェイソンは、ワイヤーロープからコンクリートの床に脚を付けたと同時に、ロープを外してからロバートの他の部下を始末するために、ライフルをぶっ放す。交戦中のロバートの部下の心臓に当たりマシンガンの発砲と共に散った。
ロバートはイルと共に、ジェイソンの死角に隠れながら厄介な相手の登場にこの場から引くことにした。
「ちっ・・・厄介な相手が、イル、ミサイルガンを持ってここから離れるぞ!」
「了解!」
イルは、急いで、落ちているミサイルガン1丁と専用の弾の入ったアタッシェケースを拾ってジェイソンに向けて、マシンガンの弾丸をぶっ放しながら、乗って来たSUVの背後に隠れる。ロバートが、SUVの鍵を開け、運転席に乗りエンジンを付けた。
イルは、トランクに荷物を詰め、自分もトランクから乗った。ロバートは、クラッチを操作した後にアクセルを踏んだ。SUVが進み始め、ジェイソンに近づき、ロバートはSUVでジェイソンを轢こうとした。
ジェイソンはそれに気づき、左に回避した。回避した後、SUVに向かって、弾丸の雨を降らすが、トランクの窓ガラスに当たっただけで、ロバートやイルには当たらず、イルが、お返しと言わんばかりの弾丸の雨を自分のマシンガンでジェイソンにめがけてぶつける。
ジェイソンは、ヘルメットを捨て、SUVを走って追いかけるが、スピードが速く追いつくことができなかった。
SUVの影が小さくなっていく・・・
ジェイソンは走るのをやめ、溜め息をついた。
「畜生・・・」
遠くから、市警のパトカーが近付いてくる音が聞こえる。ジェイソンは、倉庫の隅に隠していたモーターバイクに乗って、その場を後にした・・・
へたくそです。超展開になる事はお許しください。
読んでいただけたら幸いです。
基本もできていないかもしれません。それにつきましてはすいませんでした。
「ここはこうしたらいいのでは?」や「もう少し表現を変えてみては?」など、感想や批評をいただけたら幸いです。
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宜しくお願いします。
話は続きます。




