第2話 消去対象
《登場人物》
ジェイソン・リー (34) 合衆国政府公認消去人
ロバート・サランドン(37) 元合衆国陸軍中佐
イル・マーレー (31) 同 サランドン中隊 軍曹
アンドリュー・クレイ(58) 合衆国大統領
ポール・マーサン (48) CIA長官
ジョン・フィアーズ (35) 武器開発者
9月10日 午前9時
大統領のアンドリューは、ポールCIA長官から渡された書類を執務室のデスクで老眼鏡を付けて読んでいた。書類の中には、昨日のマンションでの報告書が入っており、そのページのところに、メモ用紙が挟まれてあった。メモの内容は、
《邪魔者の始末完了……JL》だけ、アンドリューは、彼の仕事の手早さに、驚きを隠せなかった。
ポールはそんなことを気にする事無く、執務室のソファーに腰掛けながら、アンドリューに報告書の内容を説明する。
「大統領閣下、この件について、どう思いますかな?」
「ふははっ……素晴らしい出来だよ! ポール、次の仕事も期待できるな」
大統領はそう言い、報告書をデスクの左端に置いた。そしてポールは、次のJLの標的を決める。
「大統領、実は、相談がありまして・・・こちらの書類を読んで頂きたいのです」
ポールは自分の革鞄から、少し集めの茶封筒を取出し、アンドリューに渡す。
アンドリューは、茶封筒の紐を解いて開き、書類を取り出して、老眼ながらも書類を近づける。その書類の内容について、ポールが説明する。
「この書類は、元陸軍中佐ロバート・サランドンの情報です。そちらの写真は、イラクで死亡する前の写真です」
「死亡する前? じゃあ、こいつは死んでいるのか?」
「ええ、最近までは・・・そしてこちらが撮られた写真です。数日前に我国に入国したのが確認されました」
そう言ってポールは写真を手渡す。アンドリューは手渡された写真を確認する。そしてロバートが写った写真を指差し、訊いた。
「この男は誰だ?」
ポールは、アンドリューの質問に答える。
「隣に写っているのは、サランドンの側近ですね。名前はイル・マーレー 元陸軍サランドン中隊の軍曹……奴は二年前までイラクの戦場で、最新銃器を積んだ輸送車と共に、行方不明になりました。その後も兵器は見つからずじまい。その後で、兵器情報を知る者は、この世にいません。サランドンとその中隊に所属していた兵士だけ。後は、開発元だけかと……」
「まずいな・・・兵器情報を知っているのは、奴らだけか・・・その兵器は、開発段階のミサイルガンだったんだろ?」
ポールは、落ち着いた表情で、アンドリューに答える。
「はい、そうです。 実際のところ、開発は完了し、使用段階に入る所でした。そのうえ、もう一つに載っている写真に、ミサイルガンを開発した、ジョン・フィアーズもグルです。しかも今回、そのミサイルガンを、ロシアンマフィアのイワン・チェコフスキーと取引するのではないかという情報が入りまして」
「なんだと!? それは本当か? 何という事だ。あれが、マフィアの手に回ったら大変なことになるぞ!」
アンドリューは、両手を頭にのせ、考え込んでしまった。ついに決断を決めポールに命令する。
「仕方がない。JLに仕事を依頼しろ! 目的は主要人物の始末、ミサイルガンの回収だ・・・」
「了解!」
ポールはそう言い、急ぎ足に、執務室から退室した。
アンドリューは、机の引き出しから煙草を取出し、ライターで火をつけた。
9月10日 午前12時
ジェイソンは、自宅の地下で、愛用の拳銃の手入れをしていた。すると、ラックトップから、メールの着信がきた。メールの内容は、
「EAからJLへ
対象者を削除するべし、ロバート・サランドン
イル・マーレー
ジョン・フィアーズ
イワン・チェコフスキー
また、別任務として、ミサイルガンの破壊若しくは奪還・回収を依頼する。 成功報酬は、800万ドル
決行は、明日、午前0時までに行うべし……
場所は、ボルチモア港の317番倉庫
EAより」
ジェイソンは、溜め息をつき、パソコンの画面に向かって、
「仕事か。目的が多すぎるな……」
そう呟きながらもパソコンのメールボックスから、EAからのメールを削除した。その後に、地下の岩壁から、1つ浮き出た石を押す。すると、ジェイソンは後ろの壁が動くのを凝視する。壁は下に移動した。
するとその奥には、色々な、銃火器や兵器がズラリと並べられた棚が、置いてあり、真中には、ロケットランチャーの弾や、プラスチック爆弾が詰まった箱が現れる。
ジェイソンは、そこから今回の依頼に使う銃器を用意する。
「お客さんは4名だからたっぷり味わってもらえるようなもの持っていくか」
彼は、棚からセミマシンガンを取り出して、標準を近くの鏡に写っている自分に構えた。
初投稿になりますが、へたくそです。超展開になる事はお許しください。
読んでいただけたら幸いです。
基本もできていないかもしれません。それにつきましてはすいませんでした。
「ここはこうしたらいいのでは?」や「もう少し表現を変えてみては?」など、感想や批評をいただけたら幸いです。
宜しくお願いします。
話は続きます。




