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48『五郎……どうした?』

いくら近年の夏が暑く長いとはいっても、さすがに10月になると涼しい日も増えてきた。

そして季節が移り変わるように、西新宿ギルドも変化していく。



“魔王軍”として知名度が上がったおかげで多くの応募があり、その中から男女2名づつ、計4人の探洞家(シーカー)が西新宿ギルドに新しく加わったのだ。

未経験者3名と経験者1名の採用で、その経験者とは富士山ダンジョンで会った五郎の元同僚、ハチマキ男の寺山正一郎だ。


正一郎は教育係として「ダンジョンX」で新人たちに毎日のようにトレーニングを行っている。

彼らは「Bチーム」として今後活躍してもらう予定だ。


4人分の机やロッカーが増えたからといってもオフィスはまだスカスカだった。


……そうだ。オフィスには同居人ができたんだった。


10月1日から三法師雪奈がオフィスの端っこに自分のスペースを持った。

彼女も「ダンジョンX」を使う権利があるので、話し合いの末にこうなったのだが……あ、また来たぞ。



「勇人くん、そろそろ覚悟は決めてくれた?」


「なんの覚悟だよ……そっちこそもう異世界とか諦めろよ」


「うう……諦めない」



ここに机を置いた初日から日課のように誘いにくる雪奈は、日課のように断る俺に背中を向けて、トボトボと戻っていった。



「雪奈さ〜ん! くるりんスタジオそろそろ完成するからゲストで出てねー!」



久留里はオフィスの一角を占拠して動画配信用スタジオのようなものを作るのに大忙しだ。

スペースは余りまくっているし撮影機材や照明器具は自分の稼ぎから出しているから、勝手にしてくれという感じだ。



「勇人、そろそろお弁当食べましょう」


「ああ、もうお昼か」



変わってないことといえば、真希の弁当はあいかわらず続いている。

弁当箱には栗ご飯をメインに、鮭の西京焼き、卵焼き、人参のキンピラが入っていた。



「うまい! 秋の味覚って感じだ」


「ギルドランキングがさっき更新されたの見た? うちのギルドのランキング上がってたわよ」


「マジか!? 見てない見てない」



俺は自分の机のPCでギルドランキングが発表されているサイトにアクセスした。


◆西新宿ギルド

【世界ランキング41位(前回圏外)NEW!】

【国内ランキング9位(前回112位)】


おおお! 本当にめっちゃ上がってる!


今回の結果は「クズ魔石による収入」「富士山ダンジョン・30階層ボス撃破(史上初)&33階層到達(新記録)」「魔王軍が話題になる」などが評価された結果なのだろう。



「とりあえずは国内ランキング1位を目指さないとな……ちなみにひとつ上の8位は……巡窟教団(じゅんくつきょうだん)……なんだこりゃ?」


「ユッピー、どうしよう……五郎が気持ち悪いの……」



久留里が青ざめた顔で俺をひっぱっていく。気持ち悪いってどういう意味だ?

エレベーターホールに行くと、花束を抱えた五郎と目が合った。



「ああ、社長。この美しい花を美しいダンジョンXのまわりに飾ろうかと。ダンジョンは素晴らしい、生きてるって素晴らしい、すべての人に感謝を」



バラの香りに包まれた五郎を乗せたエレベーターは下に降りていった。



「うん……たしかに気持ち悪いな」


「五郎どうしたんだろ。なにかダンジョンの中でヘンなものでも食べたのかな?」

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