43『運営方針・4』
「イマイグループ」とのスポンサー契約に関しては後日担当者を交えてもっと詳しく詰めていくことになった。
久留里の家出が終わって数日後、事務所に全員が揃った。
今日は西新宿ギルドの今後の計画の話し合いだ。
「西新宿ギルドは1ヶ月前とは状況が一変した。注目を浴びるギルドになりスポンサーもついた。これからギルドが拡大していくのは確実だから事務員を雇いたいって考えてるんだ」
「そいつはいいかも知れねえな。俺たちが深く潜るには社長のスキルが必須だがダンジョン攻略と事務作業の両立には限界があるしな」
「つぎは事務所の移転についての相談だ。そろそろこの事務所の賃貸契約の更新時期なんだけど、イマイグループが西新宿にあるオフィスビルのワンフロアを提供したいと申し出ている。そこならギルド名も西新宿のままで問題がないし良い話だと思うんだ」
「そうね……最近はダンジョンに持ち込む物が増えたし、事務員も増やすのならここは狭いものね」
事務所が入っているこのビルは狭い土地に建てられた、いわゆるペンシルビルと呼ばれているビルだ。
ただでさえ狭いのに5階フロアは胡散臭いスピリチュアル系通販会社と分け合っていてゲキ狭だった。
「でも勇人、新しい事務所ってどんな感じなの?」
「じゃあみんなでこれから行ってみるか。いつでも見学していいって言われてるからさ」
提供すると言われたオフィスビルはここから歩いていける距離にあり全員で見に行くことになった。
現在の事務所は「西新宿7丁目」にあり、新事務所は「西新宿2丁目」にあった。
ちなみに新宿の電気街として有名なエリアは「西新宿1丁目」だ。
超高層ビルの42階にきた。
机も椅子もなにもないガランドウのオフィスの窓からはすぐ目の前の東京都庁舎から遠くにある東京タワーやスカイツリーまでよく見える。
俺も来たのははじめてで正直その広さに驚いていたが、真希と五郎も絶句していた。
「久留里のお父さんから550坪くらいだって言われてもピンとこなかったけど……サッカーコートの半分くらいか? これはちょっと……」
「広すぎね……はっきりいってオーバースペック……」
「いっつも下へ下へって潜ってたからよぉ、なんか高すぎて感覚がおかしくなるな……」
エレベーターホールとオフィススペースにはしきり壁のようなものがあって、受付嬢が立つブースに入って久留里が遊んでいる……まさか受付嬢を雇わないといけないのか?
「こんな広いオフィフで4人しかいなくて事務員さんはどう思うんだろうか……」
「ねぇねぇ、ユッピー。事務員さんだけどー。桃ちゃんはダメ? 記録員って記録更新を目指すときにしか呼ばれないし、普段は事務お願いできそうじゃない?」




