11『フォロワー7万と350万』
東京湾を望む埋立地に造成されたお台場エリア。
球体のついた特徴的な外観のテレビ局ビルがランドマークとなっているこの地には2つのダンジョンが出現し、大きい方がAダンジョン、小さい方がBダンジョンとなっている。
我々はお台場Bダンジョンに向かって車を走らせている。
西新宿ギルドの社用車であるワンボックスカーは俺が運転し、五郎と久留里を乗せている。ちなみに五郎は150日免停中だ。
そして、我々の後ろを走るダンプトラックには真希がひとりで乗っていた。
「あのダンプトラックって……10トン以上ある? あそこまでデカいの必要あるかな……」
「大型自動車免許は満21歳からで、あいつは今年取得したんだ。たぶん運転したいんだろ」
お台場Bダンジョンは昔は良質な魔石が採取できる人気ダンジョンだったそうだが、現在は地下4階までは完全に取り尽くされ探窟家から見向きもされなくなっていて、土地の所有者である東京都は現在かなりロイヤリティを低くしているので条件にピッタリだった。
お台場のハズれにある一軒家くらいのサイズの巨石のすぐ隣に社用車とダンプを停めた。
降車してダンジョンの前で装備の確認をする。今日は全員、会社で着替えてから来ている。
「ユッピー! ダンジョン前で何枚か撮って! 可愛くね!」
久留里にスマホを渡された俺は、ポーズや表情を変えた写真を大量に撮らされた。
彼女はお腹がチラ見えするTシャツとデメージデニムのショートパンツの上に、金や青の装飾がついた聖女っぽい白いローブを羽織っていた。
「こんなに撮ってどうすんだ?」
「インスタ! こう見えてもフォロワーが7万人いるんだよ! ダンジョンの中でもスマホ使えたらいいのになぁ……残念すぎるよね!?」
久留里が言ったようにダンジョン内ではスマホが使えない。装備が神秘的な力を出すのとは逆に、機械や電子機器は誤作動を起こしてしまう。
なので内部の様子はイラストやCGで描かれたものと、念写スキルで出力したものしか外には伝わっていなかった。
「はい、アップ終わり! えっ!?」
スマホから顔をあげた久留里は、急に大きな声を出した。
「うわわ! マジ!? フォロワー350万人の人だ!」
振り返ると、三法師雪奈がこっちに向かって歩いていた。
俺の前まで来た雪奈は眉間にシワを寄せて、あきらかに怒っている。
「勇人くん……なんで私のメッセージ無視するの……」




