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父親と、誰?

 家から女性が出てくるのを確認して、俺は思った。


「誰でしょうか?」

「それはこっちの……いやすみませんが、ここは星野家の家で会っていますか?」


 知らない女性が出てきて動揺を隠せない。いやマジで知らん、家を間違えた?でも表札は間違ってないし、調べた限り何の間違いもないはずだ。再婚したとか?いやでもそんな情報は出てこなかったぞ、そもそも俺の家族は全員健在のは……


「ん?どうしたん……お前、け、堅持か?」

「え?この人がですか!?」

「あ、ああそうだよ父さん、でこの状況なに?」


 それはこっちの「セリフだ!」と言われ、ここだと話しにくいだろうと家に上がった、あの頃と大して変わっていない。ただ違いがあるとすれば


「妹たちと母さんは?」

「いや、それは……」

「そんなことより!あなたの話をしましょう!異世界事件以降、あなたは行方不明になりご家族や公安などが探し回っていたんですよ。詳しいお話をお聞かせいただいても?」


 この女性は、公安の行方不明者を探す担当の人らしい。定期的に行方不明者の家族と面談し状況の確認や報告を行っていて、それここに来ていたようだ。


「ちょっとね、まぁ詳しいことは言えないけど、異世界に行っていたんだ」

「はやりですね!ご家族の皆さんも心配しておられていたんですよ!早速で悪いのですが、今回のことを報告しなければいけないので、役所までご同行願います」

「橋本さん、そんな急には……」


 父さんはいきなり過ぎないかというが、女性は「義務ですので」と言って押し通す。まぁわからんでもないが、めんどくさそうだな。


「行く前に母さんと妹たちのこと聞いても?」

「それはだな、その、あの子たちが異能者に覚醒してしまって」

「あなたの妹様たちは、わが公安で異能特務課の候補として所属しておられます。異能とは異世界とつながった際に特異な能力に目覚めた人たちのことです」


 うん知ってるよ。まさかとは思ったがそうだったか、ちらりと見た記事に妹たちと同じ名前が載っていたからね。困ったことになったな。


「母さんは?」

「妹様たちと暮らしています」

「別に離婚したとかじゃないんだが」


 どうやら妹たちの異能や俺関係のことで相当もめたらしい。その結果の別居だそうだ。父さんはこの家を捨てられなかったというのも大きいらしいが。


「わかった。ちょっと行ってくるよ」

「……ああ、いつもで帰ってきていいんだぞ」

「では参りましょう」


 俺が大人しく話を進めたのでスムーズに事は進み、役所へ向かうことになった。俺としては聞きたいことも聞けたし、状況も理解できたのでまさ及第点というところだろう。


 そう思いながら橋本さんの車に乗るのだった。



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