表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

第2話:サボり貴族、ライバル登場

朝。いつものように寝坊したルークは、ジェームズに起こされて渋々起き上がった。


「ルーク様、本日は重要な会議がございます。お父上もご出席されますので、遅刻なさらぬようお願いいたします。」


「はぁ……面倒くさ。」


ルークは不満そうに呟いたが、ジェームズはそれを「深遠なる洞察」と勘違いし、感心した様子で頷いていた。


---


## ラザフォード家の闇


会議室に向かう途中、ルークは壁に飾られた肖像画を眺めた。そこには厳めしい表情の男性が描かれていた。


「ジェームズ、あれは誰だ?」


「はい、あれは先代当主、つまりルーク様の祖父です。彼は……」


ジェームズは少し言葉を濁した後、続けた。


「彼は帝国内で最も恐れられた貴族の一人でした。多くの商家や小貴族を破滅させ、ラザフォード家の権力を不動のものにしたのです。」


ルークは眉をひそめた。どうやら、この家には暗い過去があるらしい。


「現在のお父上も、その血を引き継いでおられます。ルーク様にも、いずれはその役目が……」


「いや、俺はパス。面倒くさいし。」


ルークの言葉に、ジェームズは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに「さすがです!悪役を演じることで、真の善を成すおつもりですね!」と誤解してしまった。


---


## ライバル、マックス・ハーディング登場


会議室に到着すると、そこには既に多くの貴族たちが集まっていた。中でも目を引いたのは、颯爽とした雰囲気を漂わせる黒髪の青年だ。


「やあ、ルーク。今日も寝ぼけ面かい?」


挑発的な口調で話しかけてきたのは、ハーディング伯爵家の嫡男、マックスだった。


「ふあぁ……おはよ。」


ルークは大あくびをしながら返事をした。その態度にマックスの顔が歪む。


「ふん、相変わらず怠惰な奴だ。お前みたいなのが次期当主候補とは笑わせる。」


マックスの言葉に、周囲がざわついた。ラザフォード家の跡継ぎ問題は、貴族社会の大きな関心事だったのだ。


しかし、ルークは「へー」と適当に返事をするだけで、全く動じる様子がない。


その態度にマックスはさらに苛立ち、「今すぐここで勝負しろ!魔法の腕比べだ!」と挑発してきた。


---


## 意図せぬ大勝利


「いや、面倒くさいから。」


ルークの返事に、会場が凍りついた。マックスは勝ち誇ったように笑う。


「ほら見ろ!こいつは臆病者だ!」


しかし、その時だった。


「いや、違う!」


エリザベスが突然割って入った。


「ルーク様は、魔法なしでマックスを打ち負かすつもりなのよ!だから魔法での勝負を断ったの!」


「えっ?」ルークが困惑する間に、周囲から「さすがルーク様!」「恐るべき自信!」という声が上がった。


マックスは焦った様子で、「ば、馬鹿な!」と叫ぶ。


その時、マックスが後ずさりした拍子に、背後の花瓶を倒してしまった。ルークは反射的に手を伸ばし、花瓶をキャッチ。


「おっと。」


その一部始終を見ていた貴族たちから、大きな拍手が沸き起こった。


「なんという反射神経!」

「魔法なしでこの動き!」

「ルーク様の勝利だ!」


マックスは真っ青な顔で、その場から逃げ出してしまった。


---


## 誤解は深まるばかり


会議が終わった後、ルークは疲れ果てた様子で自室に戻った。


「はぁ……なんでこうなるんだ。」


ベッドに倒れ込んだルークの元に、ジェームズが興奮した様子で駆け込んできた。


「ルーク様!素晴らしい采配でした!あなたの計略で、ハーディング家の威信を下げることに成功しました!」


「いや、俺は何もしてないって。」


「おっしゃる通りです!何もせずしてこれほどの成果を上げるとは、さすがはルーク様!」


ルークは深いため息をついた。どうやら、彼の「サボり」生活は、思わぬ方向に転がり始めているようだった。



読んでいただきありがとうございます!


ブックマークして貰えると創作の励みになります。


よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ