Ⅱ ー旅人の唄ー Ⅱ章ー第3次大戦の記憶
―Ⅱ章 第3次大戦の記録―
西暦2138年7月7日
場所:日本・福岡西部のとある町
「こんなとこにほんとにいるのかねーあいつが」
霧也はため息をついた。まわりは昼なのに日もあたらない
それどころか、7月なのに冬景色。ここも大戦の影響でこうなったのだろう。
「さぁね、でもいるんじゃなぃ?それにしても寒いわねー。上着持ってったからいいけど、なかったら死んでたわね。あたしたち」
全員がほぼ同時にため息をついた。
そもそもこうなったのは
この日受けた依頼が原因だった
✝✝✝✝✝
「あぁーあーまさか今回の仕事が調べ物とはね」
霧也はため息をついた。
そう今は仕事の最中、美佳と一緒に東京中央図書館に来ている
ここにはすべての資料、雑誌、小説等がそろっており政府の認識表がないと
中には入れない。便利屋は政府が認めている職業なので政府にとりつげば
あっさりと中に入れてくれた。
「でも今回の仕事は調べ物とはいえやばいわよ?なにせ第3次世界大戦の記録をコピーして持ってきてくれだって」
「ここの資料は持ち出し厳禁、コピーも禁止されているからな。…んー。あと、騎士の能力使っても難しいな」
あたりには警備員が目を光らせている。
あやしい動きがあった場合即座に締め出され、最悪の場合はつかまる。
もちろん騎士の能力でコピーする場合、脳内の動きだから目にはとらえられない。
だが、警備員にはそれがわかるように人の脳内回路が見えるデバイスが支給されている
だから、こうやって見ているけれどコピーなどできない。
警備員を同時に気絶させ、同時に監視カメラも破壊すれば可能だが
そんなことは自分たちには不可能だ。
「はぁ、やっかいな仕事をおしつけられたな。大戦のことなんておれら騎士でもあまりしらないのに。まぁ、大戦のとき大活躍した人たちなら別だけど…」
霧也は言うなり少し考えて
そうだ、その手があったと手を打ちひとりでうなずいている
「どうしたの?」
「市谷 宗だ。あいつは大戦を生き抜いているし、大戦の英雄と呼ばれている人だ。探せば何かわかるかもしれない」
市谷 宗。ずっと霧也が探していた人物。
だけどあの事件があってからはもうかたき討ちとかはどうでもよくなった。
復讐の結果があの事件なのだから。
「そうとなれば早速探そう。とりあえず一旦帰るか」
中央図書館をあとにし、家に帰った。
帰ると能天気な二人がいつものようにくつろいでいた。
今は午後2時。直射日光がベランダを強く照らす。
「よぉ、朱雀どうぜよ?仕事のほうは」
「収穫なし。だけど、気付いたことがある」
霧也は二人にさっき思いついたことを話した。
すると、探し物ならうちにおまかせとコッロが立った。
「うちの能力はマルチスキル。5種類の能力があるんや。そのうちのひとつ
物質探知。探し物の特徴をできる限り脳にインプットしたらすぐに居場所がわかるんよ」
と説明くさいセリフ。
霧也は特徴を次々にあげていった。
この能力は目標を一人に絞れない限り使えないらしいから
必ず市谷 宗のみをさすように特徴をのべていった。
「特徴感知。市谷 宗検索開始。人物検索。一人に絞れました。
X座高y座高測定不能。国。日本。福岡西部。詳細は不明。」
早速市谷の居場所がわかった。
福岡西部のどこにいるかまではわからなかったらしい
「よし、早速福岡西部に行こう。」
✝✝✝✝
福岡西部は思ったより広く、そして民家が少ない。
1つか2つくらいあったかなというくらいだ。
本当にこんなところにあいつがいるのだろうかと霧也は内心不安だった。
だが、数キロ歩くと家が増えだし、霧也はしらみつぶしに
家をまわっていった。
だが、市谷の情報は得られず、また振り出しにもどった。
ひとまず民家であったまることにした。
「暖炉あったけぇー」
霧也達は暖炉に手を当て、冷えた体をあっためている。
「んーうちのサーチが外れることはないんやけどねぇ~」
「まぁ、たぶんこういう町にはいないんだろうよ。どっかの洞窟にいるとかー研究所にいるとか。そういうベターな感じは…ないか」
さすがにそれはないでしょと美佳が笑う。
まわりのみんなもそんなベターなことはないぜよーとか言っている。
「そうだよな、ないよな」
霧也も笑う。仕事中でも笑いが絶えないこの便利屋。
イタリア人二人が来てから本当に明るくなったものだ。
「じゃぁ、そろそろ行くか?」
「えー!まだあったまってようよーっ…ぶー」
美佳は頬を膨らませる。
他の2人も美佳ちゃんの意見に賛成ぜよーとか
うちもそうおもうんやけどなどと能天気なことばかり言っている
「まったく。気楽だなーおまえらは。早く探しに行かないとどっかちがう町いくかもしんないよ」
「そういう朱雀だってーさっきまで気楽ぅーにわらっとったぜよー」
「なっ…!ふー。あと5分な。」
3人が同時にわーいと喜ぶ。
まるで子供だ。まぁ、美佳に関してはまだ14歳。子供なのだが
あとの二人は大人。
結局4人は5分だけあったまって、再び探しに出た。
「寒いぃー。」
出て数分後美佳がいっせいを挙げた。
しかもそれが弱音。
霧也は弱音吐くなよと軽く言う。
「でもさー寒いもんは寒いの」
愚痴をぐちぐちいいながら、しばらく歩く。
しばらく歩くと洞窟があった。
「なぁ、まさかこの洞窟にいるとかないかな?」
そんなベターなとみんな笑ったが、一応入ってみることにした。
「ね、きりや。この洞窟って…鈴ちゃんのお墓のある場所じゃなかった?」
アクアが言う。
霧也は唖然とする、頭をかきながらそうだっけかと笑ってみる。
記憶にない。鈴のお墓の場所が記憶にない。大切な人なはずなのに
「そうだよ。まったくもう…」
アクアはその後もぶつぶついろんなことを言っている。
霧也は内心怖かった。そんなことも覚えていない自分が。
怖かった。
その洞窟はうす暗く、でも松明の明かりで少し明るかった。
そこにかすかな人影が見えた。よく目立つ赤い長髪。
間違いない、市谷 宗だ
「べ、ベターだ…ってそんなことはどうでもいいんだよ
市谷、少しききたいことがあるんだ」
「なんだ?俺はいそがしいんだ。手短にしてくれ。」
霧也達はまず、鈴の墓石に手を合わせた。
そして霧也達は市谷に状況を説明する。
そして情報の提示を求めた
「…というわけなんだけど」
「それなら、お前のほうが詳しいんじゃないか?朱雀 霧也」
霧也は唖然とした。
自分は大戦には参加していない。
なのに、目の前の市谷は自分のほうが詳しいという。
意味がわからない
「なんで?おれ大戦には参加してませんし、大戦で活躍したあなたのほうが詳しいでしょう?」
霧也は一生懸命に言う。
「…ふっ…やっぱりか…」
「何?」
あ、いやなんでもないと市谷は言う。
霧也は言い表しようのない不安に襲われていた。
覚えていないはずないことを覚えていなかったり
大戦に詳しいといわれたり。
「まぁいいそういうことなら力を貸そう。情報を素直に書きだすことはできないが
情報を手に入れる手っとり早いすべなら教えてやる。朱雀にはものすごく危険だが。いいか?」
霧也はびくりとした。
自分にとってはものすごくきけん?
なんで?
「う、うん。」
「なら、ついてこい。」
霧也達は市谷についていくことにした。
市谷はどこまでも気楽なイタリア人二人に呆れつつも
きちんと案内をした。
そして連れてこられた場所。
騎士整備工場とつぶれかけの看板が立ててあった。
この言葉に少しいやな予感がしたが、それがなんなのか今の霧也には皆目見当つかなかった
「騎士整備工場、ここでお前の脳を調べさせてもらう。なぁに心配はするな。ちょっと記憶を取り戻すだけだ」
記憶を取り戻す…?
なんのこと?と霧也は思った。
「記憶を取り戻すって?どういうこと?」
霧也より先に美佳が尋ねた。
市谷は扉を開けた。そこは思ったより明るく
機材がものすごく整っていた。
「簡単なことだ、朱雀は記憶を失っている。だから呼び戻す。ほらここに寝転がれ、話はそのあとだ。」
霧也は言われるがままベッドに横になった。
すると市谷はパネルを操作しだす。
コンクリートの壁、床、天井。
いまどきこんな施設ないだろうと思ったが、こんな荒地なのだから
しかたがない。
窓はなく、日は全く入ってこない。
照明だけの明るさ。寂しい明るさだ。
霧也の頭になにかの装置がとりつけられた。
美佳は自然と顔をゆがめる。
心配なのだろう。イタリア人二人は心配ないと美佳を慰めている。
「記憶がないって…なんで…いつの…」
美佳は取り乱しそうになった。
「安心しろ。今から思い出す記憶はお前にとっても関係ある、それにこいつにとってこの先必要な記憶だ。」
「私にとっても?」
と美佳は首をかしげる。
まぁ、記憶をなくしてた人が記憶を思い出すというのは
普通ならありがたいことなのだが、霧也は自分が記憶をなくしてるということを
知らなかった。だから不安なのだ。
そして、数十分後
「ふー…成功だ。起きろ、朱雀」
「ん。んー…」
美佳は思わず霧也に駆け寄った。
イタリア人二人もそれに次いで霧也のところに行った。
「大丈夫?」
「美佳…?」
え…?っと美佳は驚いた。
なんだこの違和感は。
あたりは騒然となった。
市谷はこつこつと階段を下って霧也達のところに来る。
「それは、記憶を思い出したショック症状だ。すぐに元通りになる。そしたら話を聞こうじゃないか」
すぐに元通りになるというが、美佳は心配だった。
霧也の目からは生気が抜け、ずっとふらふらし言葉もおぼつかない
表情というものがなく、言葉も棒読み。
「霧也…」
美佳は愕然とした。
すぐもとに戻るとはいえ、万が一戻らなかったら…
不安がよぎる。そんな美佳をイタリア人二人は慰める。
そして、ひとまず家に帰ることにした。
市谷は近くにいるそうだ。戻るまで仕事は中断。
戻ってしばらくしたら仕事再開。
美佳達は家に帰ってきた。
イタリア人二人はお腹すいたと言って自分たちで料理を作っている。
自慢のイタリア料理だろうか。
その間も美佳はずっと泣きじゃくっていた。
「美・・佳・・なく・・な・・」
霧也は弱い力で美佳の頭をぽんっとたたいた。
美佳は涙を拭きながら、そっと微笑みかけた。
「うん。ごめんね?」
「さ、できたぜよ~」
「はぁい、美佳ちゃんも食べぇーやぁ?」
コッロは美佳の前に料理を差し出す。
「こういうときはうまいもん食うのが一番ぜよ」
美佳はうんとだけ答え、3人で食べ始めた。
そしてその日はそのまま寝てしまった。
時刻は午後5時早すぎる就寝だった。
ふー
展開早いかもしれませんね
今回は祐輝の記憶の話でしたね
やっぱりあれですね似非京都弁イタリア人は
影がうすい笑
まぁ、後々重要人物ですから
はい笑
だってⅡのサブタイトル
旅人の唄ですし
イタリア人二人が重要な役をしてくれないと困りますよね
わかります笑
もうⅡのプロット終わりまでできてるので勉強の合間にでもかきますよ
はい質問でーす
寄せられた?質問に答えます。
質問してくれた人は匿名で
この小説のキャラが言ってる感じにします
市谷「はたして時雨 恵はきちんと勉強しているのか」
A.してます。がんばってるんですよ?笑
一応受験生なんでね
高校志望校にいかないとやばいんです
公立いかないとお小遣い0になるんです笑
これまじですよっ!!
質問Ⅱ
美佳「なんでイタリア人にぜよとか喋らせたの?」
A.えっと、インパクトあるかなと笑
だって、イタリア人が「~ぜよー」
とか「~やんとか」
ほら、テレビでも外国人が関西弁使うときありますよね?
そこ結構うけてるじゃないですか
それを参考にしました
なんか最初の質問あれでしたけど
ありがとうございますね
ちなみにこの第1回目の質問コーナーはリア友に
質問されたことです笑
では質問はメッセ飛ばしてくださいね
感想もお待ちしています
あとがきながいよってそうですね笑
長いですね笑
でも、あとがきって書いてて楽しくないですか?




