Ⅱ ー旅人の唄ー Ⅲ章ー報酬ー
3章―報酬―
「美佳、美佳、美佳!」
美佳は誰かに起こされているような気がした。
聞いたことある声だ。
聞いたことあるどころか、聴きなれている。
「ん…ふぁ~…」
美佳はやっとのこと目がさめた。
声がし始めてから10分は経っている。
窓から降り注ぐ日差しがまぶしく、美佳はなかなか目があけられなかった。
「ふー。やっと起きたね。ほら、霧也のお目覚めだよ?」
「ん…?霧也?あっ!戻ったんだぁっ!」
美佳はまだ光になれない目をこじ開け、
目の前の人物を見る。
若干呆れながら頬笑んでいる。
霧也だ。
ショック状態から1日で立ち直ったのだ。
「カッミノさん、コッロさん!霧也が起きましたよー」
二人も飛び起きた。
そして霧也のもとにかけよる。
何度も目をこすって、頬をつねっている。
「幻やないぜよー」
「誰が幻だよ」
霧也が突っ込みを入れると同時に
みんながいっせいに笑いだす。
美佳はそれがうれしかった。昨日はどうなるかと心配したけど
やっぱり市谷さんの言うとおりなんだと安心した
「あっあのさ、昏睡状態?になっているときにさいろいろなこと思い出したんだー」
「おっ!なんぜよーっ」
イタリア人二人が異様にくいついた。
仕事のこととはいえ、なぜここまでに食いつくのか美佳と霧也は理解ができなかった。
霧也に詰め寄り、なんぜよなんぜよとくりかえし問う。
まぁまぁあわてるなと祐輝はなだめる。
「今から話すからさ、えっとー…」
霧也はいろいろ語り始めた。
第3次世界大戦に自分が参加していたこと、そして途中から
抜けだして人々を非難させたこと。
平塚 鈴の詳しいこと。日々の楽しい出来事から辛い出来事まで
あらゆることを思い出した。
だがまだ霧也には少しだけ引っかかることがあった。
「そうだったんだぁー非難させたんだね、立派だね霧也」
「立派なんてもんじゃないよ。ただ人を斬るのが怖くなっただけだからさ」
イタリア人二人は食いついてきたわりには黙りこみ、難しい顔をしている。
「いやーそれが大切なことだとあたしは思うよ」
その後もいろいろ会話が続いたが
イタリア人二人はいつになく真剣な表情で、何かを考えているようだった
霧也にはそれがなんなのか全く見当すらつかなかった
「さてと、じゃぁおれ今から紙にうつして渡してくるから」
霧也は紙に思い出した情報を書いている。
もちろんこれは極秘情報なので便利屋の園で直接依頼者に渡される
通常は仲立ち人がいるのだがこういう極秘事項については
依頼者に直接なのだ。
「じゃ、行ってきます」
霧也は書き終わるとさっそく家を飛び出していった。
今日は走って便利屋の園に向かった。
走っていると、自分の周りに風がまとわりつくような感覚に襲われる。
風をきる自分。まわりの景色も走る速さに合わせて早く流れていく
今日は日が結構照っていて暑いが、まとわりつく風がその暑さを中和してくれて
程よく気持ちがいい。
そうして風を感じながらしばらく走ると
便利屋の園の扉が見えた。この扉はどうも重い。
普通に開けようと思ったら何十人と連れてこなければ無理だ。
だからここには魔法陣が書いてあり、それに手を触れると便利屋の園に登録されているか認証し、あけるといった仕組みである。
霧也は中に入り、依頼人を探す。
「便利屋“漆黒の翼|{ダークピジョン}”です!依頼者の方いませんか?」
霧也は大声で自分の所属を述べる。
この名前は美佳がつけた名前だ。なんとなく響きがかっこいいかららしい。
専用の飛行艇にも同じ名前をつけた。
ほんとに女の子がつけたとは思えないような名前だが、霧也自身も気にいっていた。
「依頼者は私だが?」
一人の男がやってきた。
この男には霧也はなにか見覚えがあった。
だが、このとき霧也はそれがなぜなのかはわからなかった。
「報酬はここにある。早く情報を渡してくれまいか?」
「あ、はい。これは極秘事項なので決して口外しないようにしてくださいね
口外した場合はあなたは重罪人として死刑になります。」
男はわかった。といい、報酬を渡して情報を書いたかみを受け取った。
「では、これで仕事は終わりということで。ありがとうございました」
霧也は便利屋の園を出て行った。
今度は歩いてゆっくり街並みを楽しみながら帰ることにした
霧也は人間ウォッチングが好きなのだ。
人の会話を横できくとか、人の行動を見たりとか
そういう何気ないことを楽しむ変わった人物だ。
人によってはいやな人かもしれないけど、でも
霧也は人の会話を聞くのが一番好き。
たとえば、「なぁなぁ昨日の○○見たぁ?あれめっちゃおもろいやんな
そういえばさ○○って何年生まれか知ってる?
西暦2120年。4月4日。兵庫生まれ。その後…」
のように日常のテレビの会話。
こんなところに笑い要素と兼ね備えて
知識だって詰まっている。くだらない無駄知識かもしれないが
そういうことを逃さず聞くことが大切なのだと霧也は思う。
「最近の人はおもしろいなぁ」
霧也は歩きながら思わず言葉を漏らした。
笑うのは必死にこらえ、それでもどこか楽しそうだ。
家に帰るまでの間に10個くらいトリビアと呼ばれる無駄知識を発見した。
「ただいまぁー」
「おっかえりぃーっ ねぇ、報酬は?おいくら?おいくらですかぁっ?」
美佳は目を銭色にかえ、霧也の鞄を見つめながら早口で問いかけてくる。
どんだけお金に執着しているのだろうと霧也は突っ込みたくなった
「お前はどんだけ金なんだよ。おれもまだ開けてない。第一金とは限らないでしょ?」
美佳は早く早くーっと玄関先でせかす。
「とりあえず、おれを中にいれてくれ」
霧也は笑いながら美佳の肩をたたいた。
そして、中に入りイタリア人二人と美佳全員そろって報酬を
開けることにした。
「じゃぁ、あけるよー…オープンっ!」
霧也は袋の紐をゆるめる。そして、あいた。
そこに入っていたものは10万円のお金と
なにかのおふだ。
「おぉーっ!10万円―っ!」
美佳とイタリア人二人はお金にくいついた。
5万円を貯金。残り5万円を山分けした。
「あのさぁ、お前らこのおふだは気にならないのかよ。
どっちかというとこっちの方が興味そそられるだろ?普通」
霧也はお札をひらつかせながら言う。
「んー気になるは気になるんだけどぉ~…
やっぱお金っ!!…うっへぃ…! ったぁ…」
霧也は美佳に軽いチョップを入れた。「もぉ~痛いよ~」
と美佳はむくれる。
「ちょっとはまじめにしろよなぁ」
「そりゃぁ朱雀はんには言われとうないと思うで?」
普段口を滅多に開かないコッロが美佳をフォローする。
霧也は「はぁ~」とため息をつき、「まぁいいや」とそのおふだを服のポケットに入れた。
そして自分の取り分のお金を財布に入れ、5万円は金庫につめた。
「ねぇねぇっ」
美佳が飛びついてきた。
こういうときはたいていなにかを頼んでくるときだ。
「なに?」
「あのね、霧也最近疲れてるでしょ?いろいろあったし、だからぁー
みんなで考えたの。」
あれ?と霧也は違和感を覚えた。
でも、俺を気遣ってくれてるのかなと少しうれしくなった
「明日、遊園地行かない?4人で」
霧也の顔がまるで花のつぼみが花開くように明るく開花した。
霧也は昔から遊園地とかゲームセンターが好きなのだ。
美佳はそれを知っている。美佳も遊園地やゲームセンターが大好きなのでこういう提案になったのだろう。
「行く行くっ!ありがとうーっ!」
「お金はぁーもちろんー…?」
「朱雀もちぜよ~」
「えぇーっ!何故におれもち!?こういうのは普通提案者であるあなたがたが出すもんでしょ?…ま、いいや提案してくれただけうれしいし」
霧也は納得した。
納得してはいけなかったのだろうが、遊園地に行こうと申しだしてくれた3人に申し訳ないので、納得することにした。
「楽しみだなぁ~…でも、このメンバーで遊園地ってなんかものすご~~~く大変なことになりそうな気が…」
そう、かつての美佳とのゲームセンターでの技のぶつけ合いのように
対戦型アトラクションでは必ずと言っていいほど能力のぶつけ合いになるだろう。
能力者3人騎士1人。
このメンツで遊園地に行くということは…と霧也は一瞬考えた。
「なぁに言ってんのーっ楽しいに決まってるじゃないっ、ね?」
「そうだね。おれの思い違いだねごめんごめん。」
霧也はその日中ずっとうきうきしていた。
テンションはMAX!といった感じだろう
そしてその日は早めにねることにした。
そしてやってきた遊園地当日
霧也達はものすごく早く起きた。
やっぱりまだ10代の子供。普通なら学校に通っている普通の子供なのだ。
「霧也、そろそろ行くよ~」
はぁいと返事をし、朝早く家を出て行った。
家を出ると日差しが眩しくて、くらくらしそうになった
「それにしてもさぁー遊園地って久しぶりだよねー」
歩きながら霧也は美佳に話しかけた。
とりあえず駅に向かって歩いている。まさか遊園地に飛行艇で行くなどということはしない。電車で行くんだ。
「だよねー何年ぶりだろねー3年ぶりくらいかなぁー」
美佳は昔を懐かしむ言い方で空を見上げながら言った。
イタリア人二人は二人の会話を聞いてうれしそうな顔をしている
平穏が一番いいとみんなこのとき実感した。
そして駅についた。
「おれ電車って初めてなんだよなぁー」
と霧也はちょっと興奮している。
初めての電車。
なんでも初めてのとつくと興奮するもんだ
たとえば、ベターだけど初めてのおつかい
初めての学校。
これらはとってもわくわくする。
今まさに霧也はその状態だ。
「ちょっと落ち着いてって。周りの人の迷惑になるでしょ」
「ほんと子供ぜよ~電車なんておれらは何十回と乗ってきたぜよ」
霧也は、ごめんと笑いながらあやまった。
そして席につくと動き出した。
すると一々霧也は「すごいっすごいよっ」と騒ぎだす。
電車はかなりアナログだ。今はもっと早いものができている。
そのあとも霧也は電車内ですごい子供みたいにはしゃいでいた。
そして数分後遊園地についた。
「ついたぜよ~」
「うち遊園地らきたん10年ぶりくらいやぁー」
「みんな久しぶりなんだね」
霧也達はゲートをくぐる。
するとものすごい景色が広がっていた
あたり一面の緑。
木々が生い茂っている。
いまどき珍しい場所だった。そして数々のアトラクションがところせましと並んでいる。
ゲームセンターもあるみたいだった。音楽もベターな
“ザ・遊園地“というような感じの音楽。
「よっし、遊ぶぞぉ~」
「おぉーっ」
4人一斉に走りだした。
園内では走らない。これが基本なのだが
このときの4人は楽しすぎてその基本さえ忘れていた
この日が霧也達のほんとの意味での報酬なのだろうか。
「あれやろうよっ!」
美佳は霧也達を引っ張って
あるゲームに誘った。
4章に続く
はいっ!笑
えっとですねー
平和パートがしばらく続きますよ~
この誘ったゲームが・・・・
なんです笑
4章はコメディーぶぶんが強いと思います
さてさてーっ
質問コーナー!
きましたよ。質問が
少し笑
QⅠ
祐輝「どういうときに物語が思い浮かぶの?」
A.「それはぁー寝る前とか、授業中とかお風呂入ってるときとか
何気ない生活の中でぽっ っとうかんできます。
そして授業中でもいつでもおかまいなくメモ書き。
もうメモ帳はいつ何時でも持ち歩いてますねwww」
とりあえずこれくらいしか
こなかったorz
まぁ来ただけうれしいですよっ
次の更新はいつになるかわかりません^^;
受験生だから仕方がないっすよ。はいっ




