チュンジャオは侍女として
「それより、シャオグー様が助っ人なのですね」
話が終わってしまった。追及してどうなる事でもないから、そのまま脱線した話を元に戻す。
「助っ人……チーヒ様の頼みは聞いたので、そうなるのでしょうね、たぶん」
言い終わるよりも先に、三人が体を寄せてきて私の手を握り締める。三人は目を輝かせていた。期待に満ちた目だ。
「よろしくお願いします! どうかチュンジャオ様をお助けください」
これがもし演技なら、嘘の匂いがするだろう。だが全くしない。本当に助けてほしいと思っている。この三人は犯人ではない。それをさらに確信できた。
ひとしきりお願いに満足したのか、三人はやっと離れてくれる。これで調査に戻れる。確認しなければいけない事があるのだ。
「いろいろ聞かせてもらえますか?」
「はい、何でも聞いてください!」
そう言って確かめ合う様に三人は頷き合った。それから先ほどにも増して期待に満ちた目をこちらに向けてくる。そこまで期待されると、ダメだった時が怖いからやめてほしいのだが。
「まずは、チュンジャオ様の事を……彼女は誰かに恨まれたりしていませんか? もしくは恨まれそうな気がすると思う様な出来事などはありませんか?」
「そんな!」
問いかけに対して、間髪入れずに三人が一斉に声をあげ、顔を横に振る。そうして代表娘ことソンシャンが口を開いた。
「ありえません! そんな事……誰かに恨まれるなんて、そんなお人柄では」
嘘はついていない。だがいくら人柄が良くても、逆恨みという可能性だってあるのだ。
「青い柿を出したなんて、何か深い理由が……不敬罪だなんてそんな」
ソンシャンが今にも泣きそうな声をあげた。
「三人はその場には居なかったのですか?」
「……はい」
「その時の状況は何か聞いていませんか?」
「チュンジャオ様がお二人に青い柿を出したという事しか」
青い柿を出した。熟していた柿が青く変わったのを見ていれば、おそらく最初にその話題があるだろうし、ソンシャン達も忘れてしまってはいないはずだ。つまりチュンジャオは青い柿を持ってきた事になる。本人は熟していたと言っていたが。
少し違和感を感じつつ、他に気になる事を確認する。
「シーリウデンで怪しい人物を見た事は?」
その問いでソンシャンは他の二人と顔を見合わせる。二人は同時に顔を横に振り、ソンシャンがこちらに向き直った。
「私達はありません」
「では、他の人達にも聞いてみてください、もし会えれば準備の際に、会えなければお手数ですがヨウズデンまで結果を伝えに来ていただけませんか?」
「はい」




