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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
珊瑚の宝石

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78/90

シーリウデンの三姉妹

 赤い侍女服を着ている七人の集団。その中にもまとまりがあり、私と同じくらいの歳の三人がまとまっている。全員が揃って暗い顔をしているが、三人が特に辛そうな表情で少し俯いていた。言葉も一切交わしていない。さすがにあんな事があって沈んでいるらしい。年齢も近いし、あの三人に近づく事にする。


「あの、一緒にいいでしょうか?」


「?! い、いっしょとは?」


 揃って驚いた後、三人の代表なのか真ん中の娘が声をあげる。


「準備をです、ご一緒してよろしいですか?」


 最初に私の耳に視線が行き、侍女服を着ていない事に疑問を抱いたであろう表情を浮かべて、かんざしを視線が捕えた様だった。他の四人がそそくさと離れて行くのが、視線の端に映る。この三人は逃さん。そんな圧を発していると、諦めたように代表の娘が「も、もちろんです」と恐ろしげに答えた。


 それから四人で一緒に飾り付けをしていく。といっても会話は全く起こらない。結局名乗ってもいない。突然やってきた獣憑きと仲良くできる人は一部の人だけだ。加えて沈んだ気持ちの中で、気を使って会話を振るという事もできないのは明らかだった。


 だがある意味これは収穫だった。これだけ沈んでいるという事は、この三人がチュンジャオを陥れた犯人という可能性は、低いと考えていいだろう。


「あの、大変ですね」


「はい? 何が、でしょう?」


 代表娘が恐る恐る、といった感じで返してくる。口止めでもされているのか。だが惚けている感じでもない。


「シーリウデンのチュンジャオ様の事です」


「?! あぁ……」


 口ごもると、他の二人と顔を見合わせる。それから頷き合って、代表娘が口を開いた。


「えぇ、まぁ……チーヒ様が助っ人を呼んだから絶対大丈夫と仰っていましたし」


 信頼はしているが、それでも心配という事だろう。三人とも飾り付けの手を止めてしまい、両手を胸の前でキュッと握りしめる。


 助っ人というのは、おそらく私の事だろう。自意識過剰でなければ。


「その助っ人なのか分かりませんが、チーヒ様から助けてほしいと頼まれ調査しています」


「あなたが?! えっと」


 今さらになって、名乗り合っていない事に気付いたらしく、代表娘が口ごもる。


「シャオグーと申します」


 名乗ってから、軽く礼をする。それを受けて代表娘たちも名乗ってくれた。代表娘が松香ソンシャン、そのほかの娘がそれぞれ竹香ジュシャン梅香メイシャンという事だ。


「三姉妹なのですね」


 雰囲気は似ているが、顔は似ていない。まぁそういう姉妹もいるだろう。


「? いえ、他人ですが」


 ちょっと不思議そうな顔をされてしまった。名前の印象からみんなそう思うだろう。というか偶然連番のような名前だったのなら、そりゃ仲良くなる。

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