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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
珊瑚の宝石

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チュンジャオ

 まずは本人に直接話を聞くために、チュンジャオがいる牢まで移動する。カイレンがヨウズデンに来る前に、話しを聞けるように根回しをしてくれているらしい。最初から私が頼みを聞いてくれる、と考えていたのかもしれない。そんなに私はお人好しに見えるだろうか。そんな事を考えているうちに、該当の牢までやってきていた。


「チュンジャオさん」


 カイレンがチュンジャオの姿を見て、そんな悲痛が滲む声をかける。薄暗い牢の中でぐったりとした姿を見たら、親しい人は心を痛めて当然であった。


 さすがに下女ではないから、拷問にかけられたりせず、普通の尋問だけであろうが、それでも普通の域を超えてしまっているのかもしれない。


「カイレン様」


 今まで下を向いていたチュンジャオが、ゆっくりとこちらに顔をあげた。震えた声だった。あまり時間をかけられない状況。ゆっくりと調査している間に、衰弱して死んでしまいそうな印象さえ受ける。


「助けられるかわかりませんが、何とかできないかと頼まれてきました、シャオグーと申します」


 軽く頭を下げる。チュンジャオはぐったりとした状態なのに「ありがとうございます」と頭を下げる。この状況で出来た人だった。


「まずは柿を出した時の状況を教えてください……どこから持ってきたとか、具体的に」


 一息に少し早口で問いかける。焦って問いかけても、何も変わらないのに。私の問いかけにチュンジャオは、その時の事を思い出しているのか少し俯いた。ややあって、口を開く。


「あの時は、帝がシーリウデンにお越しになりました……お茶の準備をしようとたまたま柿の木の前を通ったのです、それで柿が色付いている事に気付きました」


「シーリウデンには柿の木があり、熟すと皆で食しているのだ……今熟していたという事は、今年は例年より少し早かった様だな」


 カイレンが補足してくれる。石榴シーリウの名を関しているのに柿なのか。まぁヨウズデンも柚子ヨウズは植えられていないが。


「過去にも、その柿を帝へお出しした事はありますか?」


 問いかけると、頷きが返ってくる。柿が熟せば帝へ出される事もあったという事は、誰かが帝を狙った可能性もあるのだろうか。それにしても青い柿を食べる事に賭けている事になるから、頭が悪すぎると思うが。


「続けてください」


 促すと、弱々しくチュンジャオが頷いた。喋るのも辛そうに、一度大きく息を吸い込むとむせてしまった。


「チュンジャオさん!」


 カイレンが駆け寄ろうとして、牢に阻まれた。それを見てチュンジャオは「大丈夫です」と震えた声をあげた後、言葉を続ける。

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