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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
珊瑚の宝石

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青い柿

 先日というより昨日に、帝がシーリウデンを訪れたらしい。その際、帝に対して柿を出したそうだ。しかし、その柿はまだ熟していない青い物だった。それを出した者はシーリウデンの侍女頭という事だ。


 その事が原因で侍女頭は、不敬罪に問われてしまったらしい。現在は牢に入れられているらしい。しかも運が悪ければ審議が悪い方向に進んでしまい、毒殺を目論んだという事になってしまうかもしれないという事だ。そうなれば死刑の可能性もありえるし、そこまで重い罪に問われなかったとしても、それなりに重い罪に問われてしまう。


 そして、時期も悪かった。謝蚕祭の開催準備で誰も彼もが忙しい状況では、審議が早足で行われてしまうかもしれないらしい。それでは慎重かつ公平で正しい審議を望めない。


 慌てていた理由はそういう事だったらしい。


「……事情は分かりましたが……先ほどの謝蚕祭が中止になるかもしれなというのは?」


 重大な話かもしれないが、それは結局チーヒにとっての話だ。後宮全体としては大した話ではない。だからこそかもしれないが、侍女頭一人の命で素早く終わらせられるのなら、そちらを選ぶ可能性はあるが。どっちにしても、祭祀を中止する理由にはならないはずだ。


「当り前じゃろう! 妾の一大事にそんな事しておられるか!」


 問われたチーヒが、さも当然という様に言い放つ。


「そんな事って」


 メイユーは呆れた様子で頭を抱えた。カイレンも声には出さなかったものの、似た様な反応を見せる。とりあえず、ユンが剣舞を披露できないという事はなさそうだ。その場にいないユンに急いで聞かせてやりたいところだが、この場を離れるのは難しいだろう。チーヒは私をジッと見つめている。


「とにかく! 妾の侍女頭を助けてくれなのじゃ!」


 逃してくれる雰囲気じゃない。でも謝蚕祭の準備もあるから、私が調査に乗り出してしまうと、ヨウズデンの面々に迷惑をかけてしまう。それに正直な所、ユンが剣舞を披露できるなら、調査してやる義理はない。


「……私の様な卑しい身分の者が、帝の決定に異を唱えられましょうか」


 もっともらしい言い訳を口にしておく。それに私の様な身分の者が口を出したら、すぐに死刑にされそうで怖い。


 帝の弱みを握っているらしいメイユーなら私を守ってくれるだろうが、そのメイユーは口を出す気配がない。助けてやる義理はメイユーにもないらしい。


「お主は妾が守る! 帝も妾のお願いなら聞いてくれるはずなのじゃ!」


「……お願い?」


 何を言っているのだろう。第三側妃という事は、一番身分が低くそれほど影響力も無いだろう。そんな人物のお願いを聞いてくれるのか。この人も弱みを握っているのだろうか。

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