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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
愛があれば

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わかっていない

「それで私は何をすればよいですか?」


 そう問いかけると腕を組んで、しばらく黙るカイレン。私に振る役目を考えている様だった。ただ漠然とここに来ただけらしい。それを見かねてかメイユーが口を開く。


「シャオグーが主体になった方が良いんじゃないかしら?」


 そんな言葉にミンズーが同意する様に言葉を重ねる。


「そうだよ、カイレンが考えるより、シャオグーの方がいい案だせるでしょ」


「え?!」


 そんな事をしたら生意気だと怒られてしまう。恐る恐るカイレンを見ると「そうだな」と頷いて、こちらに体を向けた。納得しているらしい。怒らないのか。身分の低い者がしゃしゃり出たら。


「どうすればよい、シャオグー」


「えぇ……」


 驚きでつい戸惑ってしまい、言葉に詰まる。初めての経験で、どうすればいいかわからない。助けを求めるためにメイユーに視線を送ると、微笑んで頷く事しかしてくれなかった。仕方がない。意を決すると声をあげる。


「とりあえず、件の女に合わせてください」



 私の要望に、カイレンはすぐに段取りをつけてくれた。と言っても下働きの女に会うだけの話だ。それほど大変なことではない。


 とりあえず、帝とメイユーの言葉を信じて考えるなら、女が外に出た、もしくは男が後宮の中に忍び込んだ。そのどちらかである。まずはどちらなのか確かめるのが先決だ。それから、出入りの方法を突き止める。相手の男もわかればいいが、正直帝と宦官以外の全員の男が容疑者なら、どうにもならないかもしれない。宮廷、市中、男は一杯いる。


 前を進むカイレンの背中を見る。この件を明らかにした場合、どちらであったとしても、警備を統括しているカイレンにとっては、痛手にならないだろうか。処刑なんてそんな重い罪にはならないと思うが、後宮に居られなくなるのでは。


「……この件は、カイレン様が責任を取る事になるのではないですか?」


 問いかけに対して少し間を開けてから、こちらに背中を向けたまま返してくる。


「あぁ、そうなるだろうな」


 分かっていないという事も無いだろう。その割にさっぱりしている。いや分かっていないのかもしれない。カイレンが後宮を離れる事になったら、会えなく……。


「私の責任だ、その責はしっかり受ける」


 やっぱり分かっていない。背中を見つめると、突然歩みが止まり、カイレンがこちらに振り向いた。突然視線が合ってしまって、立ち止まる。


「私の事は気にしなくていい、お前の指示に従う、好きに動け」


 分かっていない。なにも。


「……わかりました」


 私はカイレンの脇をすり抜けながら、そう口にする。何と表現すればいいかわからない感情が、心の中に渦巻いた。本当になんなんだ、カイレンも、私も。

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